公共政策学演習
 Undergraduate Seminar in Policy Studies
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期・後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 社会や組織が進むべき方向を一つに定める公共政策の決定過程について理解を深め,民主的意思決定の困難性を認識しながら,なおメンバー間の融和も図る方策について,多角的にアプローチしていきます。最終的には,様々な時事問題を冷静・公平に捉える視点の獲得を目指します。

【授業の到達目標】
 この演習の到達目標は,ゼミ生が以下の3点の能力・姿勢を身に付けることです。
(a)人間社会のあらゆる事象・論争を冷静な視点で捉える能力
(b)情緒・感情ではなく,確かな根拠に基づく理性的な主張を展開する能力
(c)限られた時間で確実に結果を出す計画性

【授業概要(キーワード)】
対話能力/政策立案能力/事務処理能力

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラムマップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 前期は,有益な文献の講読に当て,政策立案の基礎知識と心構えについて学びます。3年生ごとに担当する文献と箇所を決め,担当者は担当回までに要約と論点を準備します。提示された論点について,他のゼミ生がコメントし,討論に入ります。
 後期は,3年生各自が自由に取り上げる政策課題に置き換え,それらの政策課題について担当者が独自の提言・報告をまとめる実習型とします。
 4年生には,報告義務を免除する代わりに,後輩への指導を要請します。
 ゼミ生の要望があれば,長期休暇中に研修を行うことも検討します。ただし,学外で授業を行う科目が増え,ゼミ生の負担も増えそうですので,決して無理には行いません。
 なお,卒業論文の執筆は任意ですが,もちろん選択してもらえば指導します。論文にはレポート等と異なる「作法」がありますので,意欲がある場合は早い段階で申告して下さい。
・日程
 文献講読は,遅くとも1ヶ月で1冊というペースを計画していますが,文献の難易度によって調整します。
 実習型のペースについても,人数とテーマを考慮して決めます。取り上げる政策課題は夏季休業中に決めてもらいます。

【学習の方法】
・受講のあり方
 割り当てられた責務を果たし,積極的に対話に参加する姿勢や,不明な点を教員や先輩へ素直に尋ね,資料収集も積極的に行う熱意が望まれます。
・授業時間外学習へのアドバイス
 前期においては,各回の議論を振り返り,自分の考えをまとめ直して下さい。後期においては,時事問題には常に関心を払い,様々な情報源に親しんで下さい。

【成績の評価】
・基準
 前期は,知識の修得および理解の度合いを講読文献報告レジュメの完成度で,主体的な参加および汎用的技能の修得の度合いを質疑応答で評価します。
 後期は,知識の修得および理解の度合いを複数回の中間報告で,主体的な参加の度合いを質疑応答で,汎用的技能の修得の度合いを最終報告書で評価します。
 基準は,①講読文献の内容の正確な理解,②不明な点を恥じらうことなく尋ねたり,そうした質問へ真摯に答えたりする姿勢の有無,③自身が設定した政策調査課題のため,積極的に資料収集を行っているか,④他のメンバーへ建設的な助言を与えるなど,協調的であるか,⑤最終報告書において,それらの成果を論理的に文章化できているかの5点です。
・方法
【前期】講読文献報告レジュメの完成度:60点,質疑応答40点
【後期】中間報告の完成度:20点,質疑応答20点,最終報告書の完成度60点

【テキスト・参考書】
 講読文献はオリエンテーションまでに決定します
 公共部門に限らず,民間部門志望者にとっても有益な文献を選定するよう努めます。

【その他】
・学生へのメッセージ
 他のゼミ生の発言に耳を傾け,自分の考えを客観的に見直す姿勢を大切にして下さい。
 また,具体的内容は演習で説明しますが,肯定的意味での要領の良さや,各種マナーも身に付けるよう心掛けて下さい。
・オフィス・アワー
 ゼミ生の質問は,いつでも受け付けます。不在時はメールにて。

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