刑法総論の重要論点について最新の判例・学説を参照しながら理解を深め、具体的な事案を適切に解決することができる能力を涵養すること、および刑法各論（社会的法益に対する罪・国家的法益に対する罪）において問題となる事項とその根拠を正確に理解することをつうじて、リーガル・マインドを身につけるとともに、具体的な事案を解決するために必要となる基本的な知識を修得することを目的とする。を目的とする。

この講義を履修した学生は、下記の目標に到達することができる。
（１）刑法総論の重要論点に関する判例の立場を正確に理解し、説明することができる。
（２）刑法総論の重要論点に関する学説の見解を正確に理解し、説明することができる。
（３）（１）および（２）に到達することで、具体的な事案について自らの見解を論理的に表現することができる。
（４）刑法各論（社会的法益に対する罪・国家的法益に対する罪）に関する一般的な基本書レベルの知識を正確に理解し、説明することができる。
（５）刑法各論（社会的法益に対する罪・国家的法益に対する罪）に関する基本判例を正確に理解し、当該判例の概要について説明することができる。
（６）リーガル・マインドを身につけることで、論理的思考力を体得することができる。

刑法

「刑事法基礎」および「刑法Ⅰ」を履修済みであることが望ましい。
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

レジュメを用いた講義形式で行う。

（刑法総論）
①因果関係
②不作為犯
③実質的違法性
④正当防衛
⑤緊急避難
⑥故意・錯誤
⑦過失犯
⑧未遂犯
⑨共犯
（刑法各論）
⑩公共の安全に対する罪
⑪公共の信用に対する罪
⑫風俗に対する罪
⑬国家の存立に対する罪
⑭国家の作用に対する罪

レジュメに基づき講述・板書するので、その内容を的確に理解すること。

授業で取り扱った（取り扱う予定の）テーマについて、参考書を用いて理解を深め、解らない場合は質問すること。
講義で取り扱うテーマについて、事前に配布されるレジュメに基づき、その概要 を把握し、疑問点を明確にしておくこと。
講義を通じて理解が不十分であった点については、紹介する参考書および質問によって、 理解を確実なものとすること。

授業内容の総合的な理解度を中間試験および期末試験（いずれも論述試験）によって評価する。
「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能（論理的思考力、文章表現力等）の修得の度合い」を評価基準とする。

中間試験（50％）および期末試験（50％）

テキストは指定しないが、必ず最新版のポケット型六法を持参すること。
参考書については適時に紹介する。

刑法は難解で取っ付き難い感がありますが、理解の進度に応じてその学問的魅力が実感できる法分野です。また、刑法の存在理由やそのあり方を常に意識して学習すれば、非常に面白い学問分野でもありますので、根気強くかつ楽しく学んでくれることを期待します。

火曜日 15時～17時 西岡研究室