複雑で多様化している国際関係を理解するためには，国際法の基礎知識が不可欠である。本講義では，国際法が国際関係をどのように規律し，国際社会の秩序維持に寄与しているか（いないのか）について検討する。今日，国際法の対象範囲は，伝統的な戦争と平和の問題から世界経済，人権，地球環境などといったように，大変広範なものとなっている。本講義では，それらの問題を考えるための基礎的な概念や知識を習得することを目的とする。

この講義を履修した学生は，
1) 国際法の基本的な概念や用語について説明できる。【知識・理解】
2) 国際的な実行や学説について調べることができる。【技能】
3) 実際に起こっている様々な国際的な事例について，国際法の観点から討議できる。【態度・習慣】

カリキュラム・ポリシーとの関係については，「カリキュラム・マップ」を参照し，よく理解したうえで履修してください。

レジュメ・資料を配布して講義を中心に進める。教科書の該当部分をあらかじめ読んできていることを前提とする。

1 イントロダクション：国際社会と法
2 国際法総論―歴史，性質，特徴，国際法と国内法の関係―（3回）
3 国際法の成立形式（3回） 4 国家と国家機関（2回）
5 国家の基本的権利義務と管轄権(2回) 6 国家領域
7 海の国際法（2回） 8 空と宇宙の国際法
小括―中間試験
9 個人（2回） 10 国際人権法
11 国際経済法（2回） 12 国際環境法（2回）
13 国際組織 14 国家責任
15 紛争の平和的解決 16 安全保障（3回）
17 武力紛争法
まとめと試験

レジュメと板書を参照し，講義内容をノートにとる。疑問に思うことがあれば，積極的に質問する。

予習として，教科書の該当部分を読み，分からない点・疑問点を明確にしておく。
復習として，自分でとった講義ノートを見直し，ポイントをまとめる。また参考文献にあたって，問題に対する理解を深める。
普段から国際問題に関するニュース・新聞記事をチェックする。

課題・中間試験・期末試験を課して，知識の習得，理解の度合い，汎用的技能（論理的思考力，文章表現力），参加の度合いについて総合的に評価する。具体的には，次のような点が基準となる。①国際法の基本的内容を理解し，自分の言葉で説明できるか。②実際に起こっている事例について，国際法の基礎知識に基づいて論理的，説得的に評価できるか。③国際法に対する高い問題関心を示すことができているか。

課題：20％，中間試験：30％，学期末試験：50％

教科書：①森川俊孝・佐藤文夫編著『新国際法講義[改訂版]』（北樹出版，2014年）
②『国際条約集（2017年版）』有斐閣（条約集は他のものでも構わないが必ず用意すること）。
参考書：開講時及び講義の中で提示する。

現代のグローバル化した社会において，国際法の基礎知識は確実に必要です。自分はずっと東北にいるつもりだから知らなくていいとは言えない状況になっています。公共政策コースの学生も積極的に受講してほしいと思います。
私語は厳禁（講義内容に関する発言はいつでも大歓迎！）。
国際関係論と並行して受講すれば，さらに履修の効果が高まるでしょう。

木曜日 14：30～16：30 丸山研究室