国際組織法
 Law of International Organizations
 担当教員:丸山 政己(MARUYAMA Masami)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
国際社会における国際組織の位置づけ・役割を法的な観点から検討する。今日,国際組織の存在・活動を理解することなく国際関係を理解することは不可能とまでいわれるようになっている。本講義では,国際法のなかでも,国際組織の目的・任務・構造・活動などに関わる法として通常理解されている「国際組織法」について理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は,
1)国際組織の運営や活動に関する基本事項を説明できる。【知識・理解】
2)国際組織の活動について調べることができる。【技能】
3)国際社会の諸問題の解決に向けて,国際組織の役割はどうあるべきかについて法的な観点から討議できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
国際組織,国際機構,国際機関,国際連合,集団安全保障,平和維持活動,国際公務員など

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラム・マップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
レジュメ・資料を配布して講義を中心に進める。教科書の該当部分をあらかじめ読んできていることを前提とする。
・日程
1 イントロダクション:国際組織と法
2 国際組織発展の歴史(1)―国際社会の組織化,国際組織誕生の3つの流れ―
3 国際組織発展の歴史(2)―国際連盟から国際連合へ―
4 国際組織のダイナミズム(1)―ICJ損害賠償事件―
5 国際組織のダイナミズム(2)―創造的展開,設立文書の解釈―
6 国際組織の国際法上の地位
7 国際組織の国内法上の地位
8 国際組織の加盟国の地位
9 国際組織の表決制度
10 国際組織の決議の法的効果
11 国際公務員制度/財政
12 国際組織の活動(1)―国連の平和維持活動―
13 国際組織の活動(2)―安全保障理事会の強制措置―
14 国際組織による/に対するコントロール
15 学期末試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
レジュメと板書を参照しながら,講義内容をノートにとる。疑問に思うことがあれば積極的に質問する。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習として,教科書の該当部分を熟読し,疑問点を明確にしておくこと。
復習として,自分でとった講義ノートを見直し,ポイントをまとめておくこと。また参考文献にあたって,問題に対する理解を深めておくこと。

【成績の評価】
・基準
課題・中間試験・期末試験を課して,知識の習得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いについて総合的に評価する。具体的には,次のような点が基準となる。①国際組織法の基本的内容を理解し,説明できるか。②国際社会の諸問題の解決に向けて,国際組織はどうあるべきかについて自分なりの考えを示すことができるか。③課題やレポート,試験を通して,国際組織に対する高い問題関心を示すことができているか。
・方法
課題:20%,中間レポート:30%,学期末試験:50%

【テキスト・参考書】
テキスト:①佐藤哲夫『国際組織法』(有斐閣,2005年)
  ②『国際条約集(2017年版)』(条約集は他のものでも構わないが,必ず用意すること)
参考書は開講時または適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
「国際法」の応用科目にあたるので,「国際法」を履修していることが望ましいですが,履修していない学生にも分かりやすく説明します。
 法律専門科目ですが,現代の公共政策に関わる問題のほとんどが国連をはじめとする国際組織と密接に関連しています。従って,公共政策コースの多くの学生にも積極的に履修してほしいと思います。
・オフィス・アワー
木曜日 14:30~16:30 丸山研究室

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