経済法I
 Competition Law Ⅰ
 担当教員:藤田 稔(HUZITA Minoru)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 経済法は、市場メカニズムの上に立った経済政策立法の体系で、その中心は市場における自由競争制限と公正競争阻害に対する国家的規制の法であり、競争政策の法である。経済法制の中核である独占禁止法の解釈・適用を判例及び公正取引委員会の審決・排除措置命令の検討を通じて学ぶことにより、法的なものの見方・考え方を身につけるとともに、関連する経済分析の手法を学び、法的分析と総合する手法を修得するとともに、企業活動に対する法的規制のあり方を考察することを目的とする。

【授業の到達目標】
 1.経済活動における公正かつ自由な競争の意義を述べることができる。
 2.事例の事実関係に法的・経済的な分析を行って、基本的な問題に独占禁止法を解釈・適用できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
独占禁止法 競争政策 競争法 経済法

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
テキスト中心の講義である。WEBCLASS に次回までに考えておくべき課題と資料を掲載する。講義では、課題に関して、学生に発言を求めることがある。なお、講義で説明したことを踏まえて次の時間の講義が行われて、説明が積み上げられていくので、継続的な履修が必要である。
・日程
第1回 独占禁止法の歴史とテーマ  第2回 独禁法1条-独禁法の目的と基本的な考え方  第3回 独禁法のエンフォースメントの概要
第4回 不当な取引制限の規制:概要と共同性の立証
第5回 ハードコアカルテルの形態、入札談合の立証  第6回 相互拘束・共同遂行・競争の実質的制限
第7回 事業者団体の規制  第8回 行政指導と独禁法、公共の利益、刑事制裁
第9回 排除措置命令、課徴金  第10回 課徴金
第11回 企業結合規制の概要と企業結合の認定  第12回 企業結合規制:規制の手続きと市場画定の考え方
第13回 企業結合規制:水平的統合における競争制限効果の認定  第14回 企業結合規制:競争制限効果の認定と一般集中の規制
第15回 不公正な取引方法の規制:総論及び取引拒絶  第16回 取引拒絶
第17回 差別対価・差別的取扱い  第18回 不当廉売
第19回 排他条件付取引  第20回 再販売価格の拘束
第21回 拘束条件付取引:価格制限、地域制限  第22回 拘束条件付取引:販売方法の制限、取引先の制限
第23回 不当な顧客誘引  第24回 不当な取引強制(抱合せ販売)
第25回 不当な取引妨害・総代理店・並行輸入  第26回 優越的地位の濫用
第27回 私的独占の規制:概要と初期の事案  第28回・第29回 私的独占の規制:新たな展開
第30回 試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
授業は講義を中心とするが、事前に WEBLASS に掲載される課題・資料と関係する独占禁止法の条文、及びテキストを読んで予習しておくこと。特に条文を読んで自らどう解釈すべきかを考えてみること。資料は印刷して授業に持参すること。疑問点を明確にして問題意識をもって、受講すること。板書や説明のポイントをノートに記しておくこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に WEBLASS に掲載される資料と条文とテキストを読んで予習しておくこと。特に条文を読んで自らどう解釈すべきかを考えてみること。受講後は、改めて条文とテキストを読んでノートにまとめ直しておくこと。基本概念を説明できるように記憶しておくこと。

【成績の評価】
・基準
学んだ知識を応用して、レポートの課題について調査・分析して、レポートを提出すること、試験において事例問題に対して違法性の判断をすること、日頃の質問等により、主体的な参加の度合い、知識の修得の度合い、理解の度合い、論理的思考力・文章表現力に基づき評価する。。
・方法
レポート(30%) 期末試験(70%)

【テキスト・参考書】
川濱ほか「ベーシック経済法(第4版)」有斐閣アルマ 2000円(2014)
公正取引委員会のホームページ http://www.jftc.go.jp/ に資料が掲載されている。

【その他】
・学生へのメッセージ
法的分析と経済的分析を総合するような法分野ですが、基幹科目の法律学・経済学をきちんと履修しておけば理解できるように解説します。主として法律学を学ぶ学生には経済分析の考え方を、主として経済学を学ぶ学生には法的分析の考え方を、合わせて習得できる科目です。
・オフィス・アワー
月曜日 12 時00 分から13 時30 分まで 藤田研究室にて。電子メール(hd123@kdw.kj.yamagata-u.ac.jp)か電話(628-4261)で他でも可能。

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