【授業の目的】
平成20年に制定された保険法を中心に、関連法規も含めて保険契約に関する法について学ぶ。保険制度の健全な形成及び運用を図るために、保険法がどのような規定のもと、どのような役割を果たしているのかを学び、最新の研究成果や裁判例を参考にしながら保険法の規定の適用や解釈上の問題点などについても理解する。
【授業の到達目標】
(1)我々の日常生活において身近な契約である保険契約そのものについて説明ができる。 (2)保険法の規定の制度趣旨や解釈上の問題点等を正しく理解している。 (3)具体的な事例に対しても保険法の規定を的確に適用できる。
【授業概要(キーワード)】
保険法、保険業法、損害保険、生命保険、傷害疾病保険
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
講義形式(テキスト中心、パワーポイント使用)
・日程
1 ガイダンス、保険システム(保険とは?保険契約とは?) 2 保険法、保険約款、保険監督法 3 保険募集規制、損害保険契約総論 4 告知義務(損害保険契約) 5 保険事故、保険期間、保険料 6 被保険利益、利得禁止原則、保険金額、保険価額、新価保険 7 全部保険、一部保険、超過保険、重複保険、保険者の権利と義務 8 保険契約者等の権利と義務、損害保険契約関係の変動 9 損害てん補の要件、保険者の免責事由、損害防止義務、通知義務 10 保険代位(残存物代位と請求権代位) 11 生命保険契約総説、生命保険を構成するもの 12 告知義務(生命保険契約) 13 他人の生命の保険契約、保険金受取人の指定・変更 14 保険者の保険給付、生命保険契約の解約・解除 15 傷害疾病定額保険
【学習の方法】
・受講のあり方
配布資料をもとに、講義の内容を整理し、正しく理解する。
・授業時間外学習へのアドバイス
〇予習のあり方 講義で取り扱う内容について、指定テキストの該当箇所や判例百選の該当事例を予め読んでから講義に臨む。 ●復習のあり方 講義中に重要であると指摘した箇所を中心に、その日のうちに講義内容を必ず見直す。
【成績の評価】
・基準
3回の小テスト及び期末テストを課すことなどで、①主体的な参加の度合い、②知識の習得の度合い、③理解の度合い、④汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)の習得の度合いのそれぞれの項目について判断し、その合計点を用いて成績を評価する。基準の具体的な内容としては、(1)保険法に関する重要な語句や制度を正確に説明できるか、(2)保険法に関する具体的な事例に興味・関心を持ち、それに即して法律を正しく適用できるか、(3)講義を能動的に受講するのではなく、常に自分の頭で考え意見を持ち、意見を求めたときに発表するなど積極的に参加できているかである。
・方法
小テスト(10点×3回)及び期末テスト(70点)
【テキスト・参考書】
今井薫=岡田豊基=梅津昭彦著『レクチャー新保険法』(法律文化社、2011年)
【その他】
・学生へのメッセージ
現代社会において保険制度は欠かせないものであり、誰もが一生において必ず一度は何らかの保険契約を結ぶものだと思われます。したがって、保険に関する法の知識や理解は、保険に関わる職業に就く者だけでなく、現代社会で生活するすべての者にとって重要なものであると思います。保険法は商法科目の中では(司法試験科目でもなく)マイナーな法律かもしれませんが、保険法の知識や理解は今後の人生においてきっと役に立つものであると思われます。興味・関心のある方はぜひ受講してみてください。
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