法哲学演習
 Seminar in Philosophy of Law
 担当教員:池田 弘乃(IKEDA Hirono)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期・後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
演習テーマ 「現代社会と正義論」
互いに異なる価値観や考え方を持った人々の共生はいかにして可能か、そのために法制度・法的思考はどのような役割を果たすことができるのか、を考察する。そのために、正義論に関わる基本的な著作を精読し、現代社会で生起する正義に関わる難問を考察していくための基礎的教養を培うことが本演習の目的である。

【授業の到達目標】
法哲学の専門文献を読解する基礎的能力を習得できる。法哲学的な考察方法を活用することで社会問題を多面的に検討する能力を高める。論文や発表において自らの考えを的確に表現できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
正義論、リベラリズム、法的思考、価値の多元性

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
正義論に関わる基本的な著作を輪読し、議論することが中心となる。取り扱う著作は下記のテキストのほか、入門的著作や古典的作品も視野に入れつつ参加者と相談して決定する。
・日程
前期は毎回、担当者を決めテキストについてレジュメに基づき報告してもらった後、全員で内容について議論する。
後期は、テキストの輪読と受講生の個別報告を並行して行う。個別報告では、各自興味をもつテーマを選定し、法哲学的な考察を加えて発表してもらう。各自のテーマ報告は最終的にゼミ論文(または卒論)の執筆へとつながるものである。

【学習の方法】
・受講のあり方
文献を熟読し、報告担当である場合はレジュメを作成する。議論に積極的に参加する。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容を振り返り文章としてまとめる。
新聞、テレビ、映画等を通じて様々な社会問題に真摯な姿勢で接し、演習との接点を発見するよう努める。

【成績の評価】
・基準
報告と議論への参加によって基本的な知識の修得と理解の度合い、主体的な参加の度合いを見る。ゼミ論文によって論理的思考力とそれを説得的に表現する力を見る。
・方法
報告と議論への参加:60%、ゼミ論文の内容:40%

【テキスト・参考書】
テキスト:瀧川裕英編『問いかける法哲学』(2016年、法律文化社)〔2500円+税〕。
参考書:J.S.ミル(斉藤悦則訳)『自由論』(2012年、光文社古典新訳文庫)〔1060円+税〕

【その他】
・学生へのメッセージ
演習での議論への積極的な参加を期待します。雄弁である必要はありません。異なる意見との遭遇を愉しみ、互いの間違いから学んでいく議論の場を作ろうという意欲があれば十分です。
・オフィス・アワー
金曜日10:30~12:00(これ以外でも研究室在室中は随時可能)/人文2号館3階、池田(弘)研究室。

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