科学の世界(地球環境)
 World of Science (Earth and Environmental Sciences)
 担当教員:本山 功 (MOTOYAMA Isao)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:全学科(ただし地球環境学科は受講できない)  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
地球生命史入門.未だこの星にしか知られていない生命40億年の歩みを概観する.
私たちは,ふだん身の回りにみられる様々な生物と複雑な生態系の存在に疑問を感じることは少ない.しかし,地球の歴史をさかのぼれば,生命史のじつに80%もの期間は単細胞生物だけの世界であり,生命の出現から多細胞生物が出現するまでに30億年もの時間を要したことが分かる.この授業では,生命の多様性の成立には気の遠くなるような長大な時間がかかったことを知るとともに,現在の複雑な生態系に発展するまでのドラマチックな歴史を通観することによって,私たち自身の存在の奇跡を見つめ直す.

【授業の到達目標】
生命の発展と地球表層環境の変化との間の大局的な相互関係を理解するための基本的知識と着眼点を身につける。

【授業概要(キーワード)】
先カンブリア時代,顕生代,カンブリア爆発,大絶滅,恐竜,哺乳類,人類と古生物

【科目の位置付け】
数理科学,自然科学,人文科学,社会科学における基本的な知識を修得し,社会に貢献するための倫理観と責任感を養成するものである.(理学部ディプロマ・ポリシー1)
専門外学生に対する地球環境学教育.

【授業計画】
・授業の方法
画像投影による講義形式を基本とする.プリントを配布する.化石標本の回覧も行う.
・日程
おおむね次の項目と順序で進める.
1回目:ガイダンス。生命の星地球 2回目:人類(知的生命)への道。
3回目:地球の誕生,海の誕生 4回目:生命の誕生,単細胞生物の時代。
5回目:多細胞生物の出現 6回目:文明と古生物(鉄)(小テストを含む)
7回目:古生代ーカンブリア爆発と生物界の発展 8回目:古生代末の史上最大の絶滅
9回目:文明と古生物(石灰石)(レポートを含む) 10回目:中生代の古生物―恐竜の繁栄
11回目:中生代の終焉ーディープインパクト 12回目:文明と古生物(化石燃料)
13回目:新生代―哺乳類の時代 14回目:再び人類(知的生命)への道。
15回目:まとめと期末テスト。

【学習の方法】
・受講のあり方
板書,口話,映像などをしっかりノートに筆記する.
・授業時間外学習へのアドバイス
学習の基礎として,主要な地質時代(先カンブリア時代,古生代,中生代,新生代)の順序と名称の理解が欠かせないので,各自で予習・復習・暗記すること.
授業内容で不明な点は自分で参考書などで調べたり,あるいは授業のときに質問すること.

【成績の評価】
・基準
地球の歴史を通じた主要な生命史事件とその背景にある環境要因について理解できているかどうかを評価基準とする.
出席回数が10回に満たない場合は,理由の如何によらず不合格とする.
・方法
小テストやレポートの合計と期末試験の割合を半々程度とする.

【テキスト・参考書】
参考書: 「Newton別冊 よみがえる陸・海・空の覇者たち 恐竜・古生物 Illustrated」ニュートンプレス,2010.
参考書: 「現代地球科学入門シリーズ15 地球と生命:地球環境と生物圏進化」掛川武・海保邦夫,共立出版, 2011.
参考書: 「Evolution of Fossil Ecosystems」Seldan, P. and Nudds, J., Manson Publishing, 2004.

【その他】
・学生へのメッセージ
高校で地学を履修していない人にも理解できるように配慮する.
・オフィス・アワー
水曜と金曜以外の在室時.

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