電磁気学Ⅲ
 Electromagnetism III
 担当教員:吉田 浩司 (YOSHIDA Hiroshi)
 担当教員の所属:学士課程基盤教育機構教育企画部
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物理学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
電磁気学I, IIの続編として電磁場の性質・振る舞いについて解説していきます。マクスウェル理論から導かれる新たな結論として、(1)電磁波の存在、(2)マクスウェル理論の相対論的不変性、(3)マクスウェル理論のゲージ不変性とその拡張性、の3つがあげられます。これらを中心に講義を進めていきます。

【授業の到達目標】
電荷や電流のみならず電磁場も物理的な実体であり、電磁場のマクスウェル理論は、我々の時空間の性質を反映したものであることが理解できるようになりましょう。

【科目の位置付け】
理学部ディプロマ・ポリシーには「理学についての深い知識を修得し、自己の中に体系化することにより、幅広い視野と探究心を持つ。」とあります。この授業は選択科目ではありますが、電磁気学(及び演習)I, IIの続編として位置づけられ、科学技術のあらゆる分野に必要不可欠な電磁気学を体系的に理解するために欠かすことができない深い知識を提供するものになっています。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で以下の単元構成で授業を行います。(*は進度により内容の変更・省略があります。)
・日程
1.電磁場の基礎方程式
(1) マクスウェル方程式
(2) 電磁ポテンシャルとゲージ不変性
2.電磁波
(1) 電磁波と波動方程式
(2) 平面波
(3) 直線偏光と円偏光
(4) 媒質中の電磁波の伝播
(5) 電磁波の反射、屈折、回折、散乱など*
(6) 電磁場のエネルギーと運動量
電磁場のエネルギーとポインティングの定理/マクスウェルの応力と運動量
(7) 電磁波の放射
遅延ポテンシャル/変動する電荷電流に対する電磁場/電気双極子放射
3.特殊相対性理論*
(1) 運動系と電磁気学
(2) ローレンツ変換
(3) 共変形式
(4) 電磁気現象の相対論的解釈
4.ラグランジュ形式のマクスウェル理論*

【学習の方法】
・受講のあり方
講義内容のポイントは板書されていきます。丁寧な板書を心がけるので、ノートをきちんと取ってください。それがそのまま教科書となります。もし参考書の必要性を感じたら申し出てください。随時推薦します。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習は必要ありません。復習に重点を置いてください。ノートを読み返しましょう。 ノートの作り方も工夫してみましょう。友人とノートを照らし合わせて内容を補完し合うのも良い方法です。また電磁気学Aの授業や演習で使ったノート、プリントと相互参照できるようにノートを作成しておくと、学部4年生や大学院生になっても役に立つものになるでしょう。

【成績の評価】
・基準
マクスウェル方程式や電磁ポテンシャルを正しく取り扱うことができ、それらと電磁波や場のエネルギー・運動量との結びつきが理解できていること。
・方法
試験とレポートにより評価します。(比率は10:4程度です。)原則として追試験は行いません。

【その他】
・学生へのメッセージ
ベクトル解析等の数学に振り回されることなく、その数式が表している物理的な意味の把握に努めてください。
・オフィス・アワー
定期的な不在時間帯は、以下のサイトの「授業関連のページ」を参照してください。
URL: http://www.quark.kj.yamagata-u.ac.jp/~yoshida/

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