放射線物理学
 Introduction to Radiation Physics
 担当教員:門叶 冬樹(TOKANAI Fuyuki)
 担当教員の所属:理学部物理学科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物理学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
放射線の基礎概念を物理的性質から捉えたのち、放射線の物質との相互作用の基本について学ぶ。
私たちの周囲にはどのような放射線があり、それをどのようにして知ることができるのかという視点から放射線物理の概要を解説する。
宇宙放射線、環境中の自然放射線など放射線の種類、放射線の性質と物質との相互作用の考え方、放射線を知るための測定の方法など基本事項を講義する。
なお、原子炉の原理や被爆の物理的概念、放射線取扱主任者資格試験(国家試験)、加速器の原理、そして重粒子がん治療についても触れる。

【授業の到達目標】
放射線は、原子および原子核の構造と密接に関係している。一方、宇宙放射線として高エネルギー粒子としても重要な概念である。これらの放射線の概念を理解すること及び放射線の物質との相互作用の基本は電離作用にあることを理解することを目標とする。また、放射線が我々の生活にどのように役にたっているのかを、物理的視点から理解する。また、放射線測定の実習を行い、結果をプレゼンテーションすることで物理実験で得た情報を提供するために必要な実践的なスキルを育成する。

【授業概要(キーワード)】
放射線、相互作用、測定、加速器、医療

【科目の位置付け】
物理学の中でより専門的な分野を学ぶための基礎力の獲得を目指す科目

【授業計画】
・授業の方法
授業のキーワードに関係する資料をプリントとして配布し、その内容について講義する。
・日程
下記の各項目を平均2回の計15回の講義でまとめる。

1.放射線とは 2.放射線の種類
3.放射線同位元素の壊変 4.核分裂と原子炉の原理
5.放射平衡と年代測定 6.放射線と物質の相互作用
7.放射線の計測と検出器 8.放射線に使われる単位と被爆について
9.加速器の原理 10.放射線の利用法(工業から医療まで)
11.環境放射能測定(実習とプレゼンテーション)12.放射線の減衰、遮蔽(実習とプレゼンテーション)

【学習の方法】
・受講のあり方
講義は板書しながらの説明となるのでノートを執りながら理解してほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
国家試験で使われた問題等を配布するので、復習に役立ててほしい。

【成績の評価】
・基準
放射線と原子核の構造を理解できているか。
放射線と物質との相互作用の基本を理解できている。
気体や固体の電離,発光等を利用した各種の測定器に関する基礎的な内容を理解できているか。
・方法
期末テスト50%、課題レポートとプレゼンテーション50%の割り合いとする。

【テキスト・参考書】
特には使用しない。

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書は使用しない。主としてプリント、パワーポイント等も使って説明する。
放射線に関係する実験室や装置の見学も講義の進み具合により含める予定である。

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