【授業の目的】
量子の世界を理解するための理論的な枠組みを整備をし標準的技術を学ぶ。これまで慣れ親しんだシュレーディンガー方程式による量子力学の記述を一歩抜け出し、 ブラ・ケットによる、より一般的な記述方を身につける。線形代数の基本事項を復習しながら、量子力学の理解をさらに深める。
【授業の到達目標】
1)シュレーディンガー方程式による波動的な量子現象の既述から一歩前進し、量子力学の標準的な考え方・手法で量子現象を理解出来る。 2)演算子、ブラ・ケットによる統一的な記述方法により量子力学をより深く理解出来る。 3)線形代数を量子力学的な観点から再解釈出来る。
【授業概要(キーワード)】
線形代数、ブラ・ケット、演算子、角運動量、スピン
【科目の位置付け】
量子力学で学んだ量子力学を一から再構成して、量子現象についてより深く統一的な理解を得る。(物理学科の教育目標)
【授業計画】
・授業の方法
1)スライド中心の授業となります。 2)スライドのコピーを配ります。 3)教員からの一方通行の授業にならないよう、質疑応答の機会や授業中に問題を出して解いてもらう機会を設けます。
・日程
第1〜3回:線型空間と演算子(線形代数の復習を兼ねて) 第4〜6回:ブラ・ケットによる量子力学の記述 第7回:調和振動子 第8〜9回:角運動量 第10回:スピン 第11回:角運動量の合成 第12回:電磁場中の量子力学 第13〜14回:初歩的な近似法 第15回:まとめと試験
理解度により進度や内容は変更することがあります。
【学習の方法】
・受講のあり方
1)授業中に配るスライドのコピーの穴埋めやマーキングによって理解を深める 2)積極的に質問をして理解を深める
・授業時間外学習へのアドバイス
復習には十分時間を掛けること。その際、毎回の授業で学んだことを自分の頭で整理し直し、自分が分からなかったことを把握することが大事です。分からないことが出てくるのは当然のことなので、恥ずかしがる必要はありません。早めに教官もしくは周りの人に聞くなどして理解するように努めてください。
【成績の評価】
・基準
1)量子力学の基本的な概念が理解出来ていること 2)ブラ・ケットと演算子による量子力学の考え方が理解出来ていること 3)量子力学の近似法を理解しているか
・方法
レポート40% 試験60% (以上の数値は目安。授業の進度により多少変化する場合もあります)
【テキスト・参考書】
参考書:猪木 慶治 ・ 川合 光,“基礎 量子力学”ISBN-10: 4061532405 ISBN-13: 978-4061532403(講談社 (2007/10/12)) 言語 日本語 参考書:猪木慶治,河合光,“量子力学I,II”,ISBN 4-06-153209-X,4-06-153212-X,(講談社,東京)
【その他】
・学生へのメッセージ
量子力学は現代物理学の華です。ぜひ興味を持って望んでください。
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