分析化学Ⅰ
 Analytical chemistry I
 担当教員:鵜浦 啓 (UNOURA Kei)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質生命化学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
化学反応の基本概念である、化学平衡について学ぶ
ギブスと自由エネルギーと平衡定数の関係、平衡定数を決める因子などについて学ぶとともに、ブレンステッド酸塩基平衡の定量的取扱いについて学び、水溶液中のpH計算について学ぶ。さらに錯生成平衡、沈殿平衡について学ぶ。
酸塩基平衡の考え方を理解し、応用する力を身に付けることを目的とする。

【授業の到達目標】
平衡定数、質量均衡式、電荷均衡式、水のイオン積を使って、様々な水溶液のpHの計算を自力で解ける。中和滴定曲線を描ける。錯生成平衡については、溶液中で様々な組成の錯体が生成すること、そえらの割合がpHによって変化することを説明できるようになる。不均一相を含む沈殿平衡については、溶解度積を決める因子や共通イオン効果について定量的取り扱いができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
化学平衡、分析化学、イオン平衡、酸塩基平衡、錯生成平衡、沈殿平衡

【科目の位置付け】
広範で均衡のとれた基本的な化学平衡の概念を習得し、化学的事象を体系的に理解できる基礎力を身につける。(理学部物質生命化学科の学習・教育の到達目標)

【授業計画】
・授業の方法
 ・教科書の精読を中心に、パワーポイントを使って講義する。パワーポイントのスライドはWebclassに各授業終了後にアップする。
 ・授業中に適宜、問いかけをし、学生自身の解答(周囲との相談もOK)をノート等に記録させ、講義内容の理解を深めてもらう。
・日程
第1回目 ガイダンス:講義の進め方、化学平衡とギブス自由エネルギー
第2回目 物質量と濃度、水、イオンと水和、電解質
第3回目 溶液内化学平衡の基礎的概念(学的平衡定数と濃度平衡定数)
第4回目 酸塩基反応(ブレンステッド酸塩基、ルイス酸塩基)
第5回目 酸塩基平衡と酸の強さ
第6回目 強酸・強塩基および弱酸・弱塩基水溶液のpH計算
第7回目 塩の水溶液および緩衝液のpH計算
第8回目 多塩基酸および両性電解質の水溶液
第9回目 錯生成平衡(ルイス酸塩基とHSABの概念)
第10回目 錯生成平衡に影響を及ぼす諸因子
第11回目 キレート滴定法
第12回目 沈殿平衡と溶解度積
第13回目 沈殿反応に影響を及ぼす諸因子
第14回目 期末試験
第15回目 試験の返却とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
テキストを購入し,本文に線を引くなどして活用する。
授業中に適宜、問いかけをするので、学生自身の解答(周囲との相談もOK)をノート等に記録する。講義内容の理解不足な点や間違った点等にを授業中に明確にし、自宅学習に役立てる。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストを購入し,予習しておく。
教科書の章末問題を適宜やっておく。

【成績の評価】
・基準
化学平衡に関する基本的な概念や用語を正しく理解し、酸塩基平衡・錯生成平衡・沈殿平衡の計算問題を自力で解けることを合格の基準とする。
・方法
平常点20点+期末試験80点

【テキスト・参考書】
「テキスト」
姫野貞之・市村彰男 共著 「溶液内平衡に基づく 分析化学」(化学同人)

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義で学ぶ平衡計算は、化学の基本中の基本。
大学で化学を学んだものは、平衡計算は出来るだろうと期待されています。
・オフィス・アワー
講義で指定する

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