生物化学Ⅱ
 Biological Chemistry II
 担当教員:田村 康(TAMURA Yasushi)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質生命化学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
現在、遺伝子組換え技術の利用が一般的となり、ヒトを初めとする生命体の全ゲノム配列の解明、それに続くポストゲノムの研究が急速に発展している。本講義では酵素による触媒反応、遺伝子の本体であるDNA・RNAの機能から遺伝暗号に基づくタンパク質の生合成の流れまでの基礎的な概念について講義し、生体における重要な化学反応を理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
(1) 酵素の触媒機構を理解する。
(2) DNA、RNA、タンパク質が生合成されるプロセスの基本知識の習得する。
(3) 実際の研究等で利用される遺伝子工学・タンパク質工学技術の基礎を理解する。

【授業概要(キーワード)】
酵素、触媒、核酸、複製、転写、翻訳、遺伝子工学

【科目の位置付け】
この授業は、生物化学の基礎知識を修得し、自己の中に体系化することにより、幅広い視野と探究心を身につけることを目的とする。(理学部ディプロマポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
指定テキストと配布資料に沿い、酵素および核酸関連分野の基本的な概念を講義形式で教授する。中間テスト,期末テストの2回のテストで理解度を評価する。
・日程
主な講義内容は以下の通りである。ただし、進行状況等により多少実施回が変わる場合がある(授業中にアナウンスする)。
第1回:ガイダンス、生物化学I等で学んだ基礎知識の確認
第2回-4回:酵素の触媒機構
第5回-7回:酵素の反応速度論的解析法、酵素活性の調節
第8回:DNAとタンパク質の相互作用
第9回-第11回:DNAの複製・修復機構
第12回-第13回:転写とRNAプロセシング
第14回-第15回:タンパク質合成(翻訳)、遺伝子工学・タンパク質工学の技術、試験

【学習の方法】
・受講のあり方
1) テキストの学習箇所には必ず目を通して予習すること。
2) テキストを用いて復習し、テストに臨むこと。
3) テストが返却された後は、間違えた箇所を解き直すこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストに目を通し、学習内容をつかんでおくことが望ましい。
授業では重要な部分のみを解説するので、教科書の授業範囲を精読して理解に努める必要がある。授業中に言及した図表には必ず目を通すこと。

【成績の評価】
・基準
講義で学んだ生化学の知識を正しく理解していること。
・方法
中間テスト(50点)と期末テスト(50点)の合計で評価する。出席点はないが,落第点ギリギリの場合は出席率を考慮に入れることがある。

【テキスト・参考書】
ヴォート基礎生化学・第4版:田宮・村松・八木・遠藤 訳(東京化学同人)(2014)
この他に随時資料を配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
生命科学の基礎となる核酸(DNA、RNA)、タンパク質についての化学的基礎を理解し、生命のしくみの面白さを感じてほしい。
高校で生物を履修したことがない人、テキストを読んでも理解できない人は、生化学の初心者向けの教科書等に目を通すことが望ましい。
・オフィス・アワー
随時

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