【授業の目的】
固体でありながらその中をイオンが高速で移動できる固体イオニクス材料は,燃料電池や二次電池などのエネルギー変換デバイス,リアクタ,センサーなどにおいて,応用が期待されている。本授業では,固体イオニクス材料におけるイオン・電子伝導性,反応性の理論的取扱いを講義すると共に,これらの機能性が各種デバイスにおいてどのように活用されているかを紹介する。
【授業の到達目標】
無機固体におけるイオン・電子伝導性,反応性ならびにその発現原理に関する基礎を,主に固体化学,欠陥化学の観点から学び,固体イオニクスデバイスを構築する際に必要な,無機固体材料の物性制御法を身につける。
【授業概要(キーワード)】
固体イオニクス,イオン伝導,欠陥構造,固体酸化物形燃料電池(SOFC),リチウムイオン電池(LIB)
【科目の位置付け】
この授業は,先端的研究の動向に触れることを通して,幅広い視野と探究心を身につけることを目的とする。(理学部ディプロマ・ポリシー)
【授業計画】
・授業の方法
固体におけるイオン・電子伝導,無機固体材料の結晶構造・欠陥構造,固体におけるイオン輸送(固体イオニクス)現象の理論的取扱い,固体イオニクス材料の応用,固体イオニクス材料の物性について紹介する。資料はその都度配布する。
・日程
1日目 -授業の進め方とガイダンス -固体イオニクス材料とは? -固体におけるイオン・電子伝導性の発現原理 -固体イオニクス材料の応用例(燃料電池,蓄電池,センサ)
2日目 -固体イオニクス材料の理論的取扱い(結晶構造・欠陥構造) -固体イオニクス材料におけるイオン輸送現象 -固体イオニクス材料の各種物性
【学習の方法】
・受講のあり方
本授業は,配布する講義資料をもとにパワーポイントおよび板書を併用して授業を進める。また,適宜,演習を取り入れ,内容の理解を深める。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容に関連する教科書,論文を読むことで理解を深める。
【成績の評価】
・基準
固体イオニクス材料の性質とその発現原理,固体イオニクス材料を利用したデバイスの動作原理が理解できるようになることを,合格の基準とする。
・方法
レポート提出(100点)により評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト:資料を配布するので使用しない。 参考書:例えば,「JME材料科学:固体の高イオン伝導」齊藤安俊,丸山俊夫編訳,内田老鶴圃;「固体電気化学」水田進,脇原將孝編,講談社サイエンティフィック,など。
【その他】
・学生へのメッセージ
専門的な内容ですが,身近な現象や,最新の応用例の話も取り入れながら,できるだけ平易な言葉で講義するように努めます。
|