物質生命化学精選B
 Selected Topics in Chemistry for Biological Reaction B
 担当教員:唐津孝(KARATSU Takashi) 

 担当教員の所属:理学部非常勤講師
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
大学の学部レベルの講義内容ではわずかにしか学ぶことがない光化学に関して、その基礎を有機化学、物理化学的視点に立って学びます。その中に包含される、電気化学、量子化学や分析化学的な内容などを加えて、学際的な内容を融合して理解してゆく必要があります。    一方で、社会の様々な場面で光化学が利用されていることと合わせて、工学や環境化学的な視点で光化学を考えてゆくことが目的です。

【授業の到達目標】
光化学について基礎的な理解を深め、光化学反応の特徴である、高エネルギー、 短寿命、高い酸化還元能、量子効率、などの項目を理解して説明できるようになる。光化学的性質を測定する物理化学的手法を理解し、必要に応じて選択できるようになります。  
それらを統合して個々の光化学的現象にあてはめて考える能力を身につけます。自然界に存在する光生物学的反応を理解できるようになります。
人間社会がかかわる工学的や環境化学的光化学反応について光化学の学理を適用して考えられる力を身につけます。   

【授業概要(キーワード)】
光化学、光生物学、反応機構、有機EL、有機化学、物理化学、工学、環境化学

【科目の位置付け】
この授業は、光化学の学術的理解(有機化学、物理化学)の基盤の上に、生物学、工学的や環境化学的な視点に立って体系化することにより、幅広い視野と探求心を身につける事を目的とします。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントをもとに授業を進めます。一部の重要なシートは資料を印刷、配布します。
・日程
1. イントロダクション
2. 光化学反応と量子収率
3. 量子収率から反応機構がわかる
4. 吸収・発光スペクトルからわかる励起状態の性質
5. 発光スペクトル・寿命
6. 時間分解スペクトル
7. 光化学と光生物学
8. 光化学と有機エレクトロルミネッセンス

【学習の方法】
・受講のあり方
理解できない内容がある時や説明不足と感じる時は遠慮なくその場で質問してください。睡魔に襲われることは時としてありますが、熟眠してしまう人は他の興味のある授業を受講してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業のプリントを第一に、さらに参考書やインターネットなど可能な手段を利用して学習します。ただしすべてが正しい情報とは限りません。

【成績の評価】
・基準
光化学、特に発光や反応の原理を理解し、光生物学や有機エレクトロニクスなどの応用分野へ適用できる力を身につけているか。 授業で関心を持った事項についてレポートを作成し提出します。その内容から理解度を評価します。
・方法
講義ごとのミニッツペーパー50点、レポート50点、合わせて合計100点とします。

【テキスト・参考書】
・テキスト: プリントを配布します。 ・参考書: 光化学の世界(徳丸克己著、大日本図書)、光化学I(井上晴夫他著、丸善)、分子光化学の原理(井上晴夫他訳、丸善)など

【その他】
・学生へのメッセージ
光化学や光生物学、さらに 山形大学がリードする有機ELにもつながる光化学について、基礎から応用まで光を当てて学びましょう!

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