発生機構解析実験
 Laboratory Class of Developmental Mechanisms
 担当教員:品川 敦紀(SHINAGAWA Atsunori)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:実験
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
アフリカツメガエルの初期発生の簡単な解析
今日、生命科学の分野で最も頻繁に使用されている実験材料の1つがアフリカツメガエル(学名Xenopus laevis)である。その理由は、卵をいつでも,容易に,しかも多量に入手することができること、そして卵が比較的大きいため,細胞あるいは細胞質の除去、移植といった実験操作が簡単であることである。近年では、遺伝子の機能解析のモデルシステムとしても頻繁に用いられるようになっている。
本実習では、このアフリカツメガエルの卵を用いて、その入手と簡単な操作に慣れ、そして両生類の形態形成を含む初期発生の過程を追跡する。実際の生命の発生がいかにダイナミックなものであるのかを実感してもらう。
実習は、時間割と関わりなく集中で行う。詳しくは、後期開始にあわせて掲示するので、注意されたい。

【授業の到達目標】
1.アフリカツメガエルの初期発生の様子を理解する。
2.形態形成の基本メカニズム、計時機構の基本メカニズムについての簡単な実験的解析による体験的理解を得る。

【授業概要(キーワード)】
アフリカツメガエル、初期発生、卵割、形態形成

【科目の位置付け】
理学部カリキュラムポリシー2に則り、両生類卵を取り扱う実践的能力を養う。

【授業計画】
・授業の方法
10月中旬から12月中旬までの間に,2週間合計10日間午後2時40分から午後5時をめどに集中で開講。観察、実験を中心とした実習。
・日程
主な実習内容は、以下の通りである。
1. アフリカツメガエルの正常発生の観察
2. アフリカツメガエル胚精子侵入点と背側軸の関係解析(卵の温熱処理や紫外線処理、卵の回転の影響の観察等)
3. 初期発生過程における細胞分裂機構の解析的観察(ウレタン処理による細胞分裂の可逆的停止実験と処理胚の発生の観察など)
4. 胚軸確立機構の解析的観察(塩化リチウム処理による背側化胚の誘導,紫外線処理による腹側化胚の誘導など)
5. アフリカツメガエルの飼育法、採卵法の実際

【学習の方法】
・受講のあり方
例年、時間割とは無関係に、10月後半頃から12月中旬までにおける2週間、14:40~17:00に集中開講している。日程の詳細は、9月中旬頃、生物学科掲示板、生物学科3年実験室などに掲示するので注意しておくこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
特になし。

【成績の評価】
・基準
実習のため一定回数の授業参加が必要不可欠。実験が指示に従って適切に行えたか,観察スケッチや実験データが適切に用意できたか、またそれについて報告書が適切に作成できたかを判断する。
・方法
授業参加状況70%、レポート内容30%で総合評価する。

【テキスト・参考書】
教科書は使わない。実習用手引きを配布する。
参考書:山名清隆 著 カエルの体づくり 共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
特になし。
・オフィス・アワー
月曜7,8校時

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