植物生理学
 Plant Physiology
 担当教員:宮沢 豊(MIYAZAWA Yutaka)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
植物生理学は、植物の成長に伴う現象、すなわち栄養、代謝、成長分化などの機構を実験的手段によって理解する学問領域である。これらの現象には植物ホルモンの機能が中心的に関わっている。本講義では、陸上植物の植物ホルモンによる成長制御機構をその信号伝達機構と関連させながら理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
植物ホルモンや環境応答依存的に植物個体の成長がどのように制御されるかを、その過程に介在する分子機構とともに説明できる。

【授業概要(キーワード)】
陸上植物、植物ホルモン、環境応答、成長制御、形態形成、信号伝達

【科目の位置付け】
この授業は、様々な研究手法を用いて得られた植物の成長制御機構に関するデータを総合的に考察した結果について解説するものである。取り上げる現象は植物に固有のものであるが、本講義で触れる考え方は、動物を含めたあらゆる生命体の機能発現の機構の理解にも通じる。(カリキュラムポリシー2に対応)。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントスライドと配布資料を用いた講義形式
・日程
第1回:植物ホルモンの概要と、オーキシンの生合成、受容
第2回:オーキシンの信号伝達機構と生理作用
第3回:サイトカイニンの生合成と受容の仕組み
第4回:サイトカイニンの信号伝達機構と生理作用
第5回:ジベレリンの生合成、受容の仕組み
第6回:ジベレリンの信号伝達機構と生理作用
第7回:アブシジン酸の生合成、受容の仕組み
第8回:アブシジン酸の信号伝達機構と生理作用
第9回:エチレンの生合成、受容の仕組み
第10回:エチレンの信号伝達機構と生理作用
第11回:ブラシノステロイドの生合成、受容、信号伝達機構と生理作用
第12回:サリチル酸、ジャスモン酸の生合成、受容、信号伝達機構と生理作用
第13回:その他の植物ホルモンと生理活性物質の生合成、受容、信号伝達機構と生理作用
第14回:植物ホルモンの相互作用による植物の成長制御
第15回:講義のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントで示される講義内容をノートや配布資料に書き取り、内容の理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義中に書き取った内容を、配布プリントの図とともに、別のノートにまとめ直すことで、深く理解できるようになる。

【成績の評価】
・基準
植物ホルモンの作用、信号伝達機構を中心として、それに連なる植物の成長制御機構の基本的な事項について、適切な用語を用いて説明できることを合格の基準とする。
・方法
中間考査(40点満点)+期末考査(50点満点)+講義への取り組み(10点満点)を元に算出し、評点とする。

【テキスト・参考書】
参考書:Taiz, Zeiger 著 「Plant Physiology Fifth Edition」 (Sinauer Associates Inc.)
山本 編著 「絵とき植物生理学入門」 改訂第3版(オーム社)
など

【その他】
・学生へのメッセージ
生物を理解することは暗記による知識を増やすことではない。実験結果について考えて結論を導くことであるということを実感してもらえればと考え、講義を行う。
・オフィス・アワー
初回の講義で連絡する。

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