植物生理学実験
 Laboratory Course in Plant Physiology
 担当教員:宮沢 豊(MIYAZAWA Yutaka)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:実験
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
生命現象の発現機構を遺伝子レベルで理解する方法として、着目する現象に異常を示す突然変異体の取得と解析は非常に有効である。変異原因遺伝子の同定により、着目する現象の発現に重要な役割を遺伝子であることが明らかになるだけでなく、変異体の表現型の詳細な解析から、その遺伝子機能に迫ることもできるからである。ここでは、成長運動に異常を示す植物の解析を例として、植物生理学で用いられる種々の解析を行い、必要な技術と結果の解釈の仕方を学ぶことを目的とする。

【授業の到達目標】
1)実験プロトコールを読み、植物生理学の基礎的実験を実施できる。
2)背景を踏まえて、実験結果を論理的に解釈できる。
3)実験の背景・方法・結果と考察をレポートとして正確に記述できる。

【授業概要(キーワード)】
突然変異体、生理学的解析、植物ホルモン、成長運動、遺伝子

【科目の位置付け】
この授業は、生命現象の分子機構を解析する際に必要となる考え方と基本技術を、植物の成長運動の解析を例として学ぶものである。そして、得られた結果を解釈し、結論をレポートにして論理的に記述する力を身につけるものである(カリキュラムポリシー2に対応)。

【授業計画】
・授業の方法
実験方法などを記した資料を配布し、植物の成長運動に関する生理学的実験を行う。詳細は初回に説明を行う。
・日程
集中で開講するので、日程に注意すること。
第1回:実験のガイダンスと試薬・培地調製
第2回:突然変異体の表現型解析1
第3回:突然変異体の表現型解析2
第4回:突然変異体の表現型解析3
第5回:変異原因遺伝子の解析1
第6回:変異原因遺伝子の解析2
第7回:変異原因遺伝子の解析3
第8回:遺伝子クローニングの基礎1
第9回:遺伝子クローニングの基礎2
第10回:遺伝子クローニングの基礎3
第11回:表現型に関連する遺伝子発現解析1
第12回:表現型に関連する遺伝子発現解析2
第13回:表現型に関連する遺伝子発現解析3
第14回:データ解析と考察
第15回:実験のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
毎回、必ず出席すること。実際の手順、気づいた点など記録しながら実験をすること。実験器具や試薬は扱いを間違えると大変危険なので、受講中は集中すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
実験前に配布資料をよく読んで、実験の手順を理解しておくこと。また、実験の記憶が薄れないうちに、データ整理とまとめは実験の都度速やかに行うこと。

【成績の評価】
・基準
1)目的を理解し、主体的に実験に取り組めることを合格の基準とします。
2)背景を理解し、実験結果を論理的に考察できることを合格の基準とします。
3)実験の背景、方法、結果、考察をレポートとして表現できることを合格の基準とします。
・方法
実験に対する取り組み(40%)+実験レポートの内容(60%)で評価。

【テキスト・参考書】
特になし。

【その他】
・学生へのメッセージ
植物生理学を履修していることが望ましい。実験は、指示通りに作業して、結果を得るだけでは無い。重要なのは、各手順に関する意義を理解した上で、得られた結果について、背景、目的と照らし合わせて考察することにある。このことを、受講者は念頭において取り組んでほしい。
・オフィス・アワー
開講初日に指示します。

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