植物成長制御学実験
 Laboratory Course in Plant Growth Regulation
 担当教員:菱沼 佑(HISHINUMA Tasuku)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:実験
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
高等植物や藻類を用い、植物細胞培養法や蛍光抗体法など植物生理学実験に関係する基本的な実験方法を習得するとともに、植物細胞の特性などを理解する。
組織培養実験では、培地の作成方法や滅菌方法、細胞培養方法などの植物組織培養法の基礎的技術を身につけ、また植物細胞の脱分化、再分化と植物ホルモンとの関係、分化全能性などについて理解する。下等植物を用いた実験では、免疫組織学的手法や他の基本的な実験操作技術を習得するとともに、植物細胞による特性のちがいや植物生理学の諸問題などに対する理解を深める。

【授業の到達目標】
(1)植物の組織培養に関係する実験操作を理解し、安全かつ着実に実験ができる。
(2)植物細胞の実験形態学的な操作ができる。
(3)間接蛍光抗体法を理解し、蛍光顕微鏡で観察することができる。
(4)実験結果を実証的、論理的に解析し、考察することができる。
(5)実験操作等に各自の工夫を加えて、実験操作マニュアルを作成することができる。

【授業概要(キーワード)】
植物組織培養 原形質流動 細胞融合 細胞分化 間接蛍光抗体法

【科目の位置付け】
課題解決と説明能力の向上を図るとする理学部カリキュラム・ポリシーに基づき、主に植物生理学や形態形成論Ⅱで学習した内容をもとに、生物科学の研究に必要とされる基礎的な技術や能力を習得する(生物学科学習・教育目標)。

【授業計画】
・授業の方法
グループ実験と個人実験を組み合わせて、種々の実験を行う。テキストは用いず、配付資料をもとに行う。グループ実験をふくむが、レポートや他の課題等は各個人で提出する。なお、この実験は、基本的には7-9校時を利用し、10回連続で実施されるが、培養実験の結果観察などこれ以外の時間で実施されることがある。
・日程
1. 実験ガイダンス:a)実験器具の滅菌法 b)無菌培養操作 c)培地の作製 その他
2. ニンジンの組織培養実験:カルスの誘導, 組織や細胞の観察
3. シャジクモ節間細胞の原形質流動の解析
4. 節間細胞の膜の不均一性の検出とその解析
5-6. プロトプラストの作成と融合実験
7. 藻類を用いた細胞生理学実験:細胞再生, プロトプラスト形成
8-9. 間接蛍光抗体法による細胞骨格の観察
10. ニンジンの組織培養実験 (カルスの再分化), 実験の後始末

【学習の方法】
・受講のあり方
配付資料をもとに説明し、それに従って個人やグループ(4人程度)で実験を行う。グループ実験であっても観察やスケッチ等は個人ごとに行い、スケッチやレポート等は各個人ごとに提出してもらう。各自の実験操作マニュアルを作成するにあたっては具体的に分かりやすく書く必要があるの
で、実験方法の説明の際には細部にわたりメモをとりながら注意して聞く。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に配布された資料に目を通し、実験に必要な基本的な事柄については各自調べておく。実験方法や実験結果などは、配付資料やノートをもとにその日のうちに整理し、実験方法や操作などの不明な点について質問する。

【成績の評価】
・基準
i)実験に積極的に参加することができる。ii)実験方法の基本操作が身についており、関連する実験を1人で行うことができる。iii)実験内容が理解できる、iv)またその努力をしている、v)実験結果を十分に集め、整理できる。vi)得られた実験結果について実証的あるいは分析的、論理的に考え、考察できる。これらのことが一通りできれば、合格です。
・方法
実験態度(40点)と実験レポートの内容(60点)を総合して評価する。

【テキスト・参考書】
テキストは用いない。実験に際し、プリントを配布する。また、必要に応じて各実験に関する実験書や参考書、文献等を紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
実験内容は形態形成論Ⅱや植物生理学と関連した内容が多く含まれているので、これらの講義を受けておくことをすすめる。
・オフィス・アワー
火曜日 16:00-17:00

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