行動生態学
 Population Ecology
 担当教員:廣田 忠雄(HIROTA Tadao)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
同一種が作る集団(個体群)の動態と、集団を構成する生物の行動の理解。
生物は、生存に必要な条件(ニッチ)が揃っている場所に生息する。そのため、ニッチを共有する同一生物種は、特定の地域に集中しやすい。この集団を個体群とよび、個体数や齢構成の動態を研究するのが個体群生態学である。個体群内では、餌や交尾相手などの資源をめぐって競争が生じる(種内競争)。また分散能力の高い生物は、広範な地域を移動するため、特定の地域の集団(局所個体群)ばかりでなく、複数の集団をメタ個体群として認識する必要性がある。本講義では、これらの概念について、実例を挙げながら解説する。

【授業の到達目標】
群集・生態系・景観を学ぶのに必要な基本的概念を身につける。

【授業概要(キーワード)】
進化生態・繁殖戦略・生活史

【科目の位置付け】
自然環境について行動生態学の観点から論理的に分析することで、様々な文化に対する理解を深めながら、地域を創生する能力を有する次世代の形成を目指す。

【授業計画】
・授業の方法
PowerPointで作成した資料を用いて講義する。同様の内容の資料を配布するが、一部空欄になっているので、講義中に書き込むこと。
・日程
第1週 ガイダンス, 個体群動態
第2週 アリー効果
第3-4週 種内競争
第5-7週 配偶競争
第8-9週 精子競争
第10週 オスとメスの対立
第11週 種間競争
第12週 繁殖干渉
第13週 捕食
第14週 寄生
第15週 分散, メタ個体群

【学習の方法】
・受講のあり方
配布資料の内容ばかりでなく、講義中の発言も中間・期末試験の出題範囲となるので、適宜ノートを取ること。
・授業時間外学習へのアドバイス
特別予習は必要ないが、講義で紹介した書籍を一読しておくと、より理解が深まる。
分からないことは、次の講義までに解消しておくこと。一部、数式も登場するが、一度自分で計算してみるのが、理解の早道である。質問は columbo70@yahoo.co.jp まで。

【成績の評価】
・基準
講義で概説した基本概念の理解度を試験で確認する。
・方法
中間試験 50点, 期末試験 50点

【テキスト・参考書】
講義中に配布する資料。

参考書
・松本忠夫『生態と環境』岩波書店.
・ベゴン M 他『生態学:個体・個体群・群集の科学』堀道雄・監訳. 京都大学学術出版会.
・嶋田正和 他『動物生態学』海游舎.

【その他】
・学生へのメッセージ
必ず出席すること。
・オフィス・アワー
講義で知らせる。

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