生物多様性論
 Biodiversity
 担当教員:藤山 直之(FUJIYAMA Naoyuki)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
地球上に生息する生物種数は数千万にも及ぶといわれており,種の中には変異が認められ,さらに,種間には様々な相互作用が存在する。生物多様性を正しく理解することは,ピュアサイエンスとしての生物学のみならず人類の持続的発展という観点においても極めて重要である。本講義では,はじめに生物が示す多様性を概観する。その後,生物多様性を捉える上での3つの階層について,形成と維持のメカニズム,および,その意味を理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
生物多様性に関する基本的な見方,考え方,形成・維持のメカニズムに関する知見を得て,生物多様性が維持されていることにどういう意味があるのか,逆に失われてしまうことによる問題とは何かについて考察できる。

【授業概要(キーワード)】
生物多様性,遺伝,種,生態系,環境,保全,分類,系統,進化,種分化.

【科目の位置付け】
理学部ディプロマ・ポリシー1・2およびカリキュラム・ポリシー2に準拠する。この授業では,生物多様性とその形成・維持のメカニズムについての基本的な知識を習得する。なお,専門科目の,生態学,群集生態学,個体群生態学,遺伝学,動物系統分類学,植物系統分類学と関連づけて学習すること。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを利用して講義を行う。
・日程
以下の内容について、15回に分けて行う。
1)生物多様性とは何か
2)生物の系統分類と進化:1
3) 生物の系統分類と進化:2
4)遺伝的多様性の成因と機能
5)種の実体と生殖隔離:1
6) 種の実体と生殖隔離:2
7)前半のまとめと中間テスト
8) 種分化:1
9) 種分化:2
10) 種分化:3
11)種の多様性の成因:1
12) 種の多様性の成因:2
13)種の多様性の機能
14)生態系多様性の機能と意義
15) 後半のまとめと期末テスト

【学習の方法】
・受講のあり方
重要な点を理解しながらメモをとること。休まずに受講し,理解できなかった点は積極的に質問するよう心がけて下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
下記の参考書などを読んで予習しておくと,講義の理解が深まります。理解できなかった点については,できるだけ早く質問して解消すること。
また,授業で扱った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べ,理解を深めて下さい。

【成績の評価】
・基準
生物多様性に関する基本的な知識を習得し概念を理解しているとともに,講義内容に基づいて様々な課題に対して論理的に思考し論述できることを合格の基準とする。
・方法
講義中の履修姿勢(20%),中間テスト(30%),期末テスト(50%)により評価する。

【テキスト・参考書】
テキストは指定しない。以下の参考書を読むと授業内容の理解が深まります。
1)エドワード O ウィルソン(大貫昌子・牧野俊一訳)「生命の多様性」I-II 岩波書店 1995
2)宮下直・井鷺裕司・千葉聡「生物多様性と生態学─遺伝子・種・生態系」朝倉書店 2012
3)宮下直・野田隆史「群集生態学」東京大学出版会 2003
4)ドルフ シュルーター(森誠一・北野潤訳)「適応放散の生態学」京都大学学術出版会 2012
5)ダグラス J フツイマ(岸由二他訳)「進化生物学(原著第二版)」蒼樹書房 1997

【その他】
・学生へのメッセージ
毎回出席し,質問などで自分で学ぶ姿勢を積極的に示すように心がけてください。理解できなかった点についての質問は随時受け付けます。講義内容のどの点に特に興味を持ったか,自分はその点についてどう考えたかなど,常に問題意識を持って講義に臨んで下さい。
・オフィス・アワー
研究室に在室している時間は随時。

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