細胞生物学
 Cell Biology
 担当教員:菱沼 佑(HISHINUMA Tasuku)
 担当教員の所属:理学部生物学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
細胞は生物(生命)の基本単位であり、細胞生物学は生物学を学ぶ上での基本である。本講義では、動物植物を問わず共通する、生体膜や細細胞小器官の構造と機能あるいはそれぞれで営まれている重要な代謝反応について学ぶ。また必要に応じて植物細胞に特有な代謝反応等についても取り上げる。

【授業の到達目標】
(1)生体膜やミトコンドリア、葉緑体、微小管などに関連する用語を理解し、それぞれの重要性を具体的に述べることができる。
(2)葉緑体やミトコンドリアのエネルギー代謝や反応を、それらを構成する酵素や膜構造と関連させて説明することができる。
(3)基本的な代謝系を理解し、反応経路やその重要性について述べることができる。

【授業概要(キーワード)】
リン脂質、細胞膜、電気化学的勾配、ミトコンドリア、葉緑体、酸化還元反応

【科目の位置付け】
専門分野における知識の修得を目的(理学部カリキュラム・ポリシー)に、生物学の多様なレベルにおける生命現象の解釈を正しく理解し,説明できる能力を修得するため(生物学科学習・教育目標)に必要とされる、細胞生物学に関する基本的な講義である。

【授業計画】
・授業の方法
指定したテキストおよび配付資料にもとづいて、パワーポイントを使用した講義形式で実施する。
・日程
1-2 授業ガイダンス, 細胞の化学成分
3-4 生体膜の構造と機能
生体膜の構造,物質の輸送,電気化学的勾配
5-7 ミトコンドリアの構造と機能
解糖系とTCA回路,酸化的リン酸化の機構
シアン耐性呼吸
8-11 葉緑体の構造と機能
光化学反応、カルビン回路
光呼吸、C4植物、CAM植物
12-13 その他の代謝系微小管の構造と機能
14-15 細胞骨格(微小管の構造と機能),まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
テキストや配付資料に事前に目を通して基礎的用語や内容についてテキストなどで調べておく。講義内容は、テキストや配付資料と関連付けながら理解する。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容について、テキストや配付資料、講義ノートをもとに整理する。理解不十分な点などがあるときは、テキストや参考書、文献等で自主的に調べたり、授業にて質問する。また各自の興味に応じて、より専門的な内容について参考書や文献であたってみる。

【成績の評価】
・基準
講義された細胞生理学に関する基本的な用語を理解し、それらの用語を適切に用いて、生体膜やミトコンドリア、葉緑体、微小管などの機能や重要性を説明できる。葉緑体やミトコンドリアなどの機能とそれらを構成する生体膜が密接に関係していることを説明できる。細胞質やオルガネラで生じる基本的な代謝系の反応経路の概略を理解している。これらを一通りできることを合格の基準とする。
・方法
記述形式の小テスト(40点)と期末試験(60点)を行い、その合計点で,評価する。なお、授業への出席が2/3に満たないものについては、評価しない。

【テキスト・参考書】
テキストとしてEssential細胞生物学 原著第4版. 中村桂子・松原謙一 監訳. 南江堂(2016) を用いる。
参考書:以下の2冊以外にも多くの参考書が出回っており、各人の興味や必要性に応じて購入して欲しい。
ルーイン細胞生物学. B. Lewinら著/永田和宏ら訳. 東京化学同人(2008)
分子細胞生物学 第6版. H. Lodish ほか著/石浦章一 ほか訳. 東京化学同人(2010)

【その他】
・学生へのメッセージ
細胞生物学は、これから生物学を学んでいくうえで必須のものです。授業ではその一部しか紹介することができませんが、テキストを十分に活用して、自学自習により広い知識を習得してください。
・オフィス・アワー
火曜日16:15-17:15

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