【授業の目的】
生物を個体以上のレベルで対象とした研究分野について、初学者向けの講義を行う。近年、生物学が取り扱うべき研究課題は数多いが、いずれも洗練された調査手法により、多くの事実が明らかになっている。しかし、どの分野も高度に専門化されたため、広範な生物学の全体像を把握するのは専門家でも難しい。本講義は、新入生が専門性の高い科目を受講するのに必要な予備知識を提供し、高校生物から研究の最前線へと移行する架け橋としたい。生態学・進化生物学の分野に関して、なるべく広い範囲を網羅するため、個々の話題に割く時間は限定されるが、対象を重要性の高い概念に絞り、分かりやすく解説する。
【授業の到達目標】
高校生物では十分説明されていないが、大学生物を学ぶのに必須な生態学・進化学の概念が理解できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
生物多様性・進化・分類体系・生態・環境・群集
【科目の位置付け】
進化学・生態学の基礎を学び、専門科目の学習への導入とする(理学部カリキュラムポリシー2)。
【授業計画】
・授業の方法
以下の参考書の内容に沿って講義を行う。必要な資料はプリント配布する。
・日程
第1回:ガイダンス・進化学と生態学の接点 第2回:生物進化の主要な方向性と性の進化 第3回:生物圏の進化 第4回:生活史の進化 第5回:性比と性配分 第6回:移動分散と休眠の進化 第7回:進化と個体群動態 第8回:まとめ(1)と中間試験 第9回:ニッチの進化 第10回:相利共生 第11回:共進化 第12回:種の誕生 第13回:種の絶滅 第14回:大進化とマクロ生態学 第15回:まとめ(2)と期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
全て出席すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
前回の講義内容を思い出すために、ノートを読み返すことを勧めます。理解しにくい箇所や、疑問点があった場合には、質問できるように問題点を整理しておいて下さい。初めて聞いて理解できなかった用語や概念について、参考書などを利用して理解するように心がけて下さい。
【成績の評価】
・基準
講義で取り上げた生態学・進化学の概念が理解できているかどうかを、中間試験と期末試験(またはレポート)の成績で評価します。
・方法
中間試験(50%)、期末試験(またはレポート)(50%)
【テキスト・参考書】
参考書 ・Peter Mayhew (著)江副・高倉・巌・石原(訳) (2009)『これからの進化生態学:生態学と進化学の融合』共立出版. ・David E. Savada他(著)石崎泰嗣・斎藤成也(監訳) (2014)『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第4巻 進化生物学』講談社. ・日本生態学会編(2004)「生態学入門」東京化学同人
【その他】
・学生へのメッセージ
分からないことは、自分で調べる癖をつけて下さい。人に教えてもらうときにも、調べる努力をしておくと、理解が深まります。
・オフィス・アワー
研究室に在室の時間は随時
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