【授業の目的】
生物学、特に生理・生化学的研究分野で必要とされる基礎的実験手法の原理とその操作法の修得を目的とする。 身近な細胞運動の例として筋収縮運動を取り上げ、筋収縮に関係するタンパク質の構造の解説とタンパク質の分離精製実験などを通じて、生理学的・生化学的研究において必要な基本的知識および技術の修得を行う。
【授業の到達目標】
実習を通じ、生物学の研究を行う上で必要な試薬の調製法、各種実験機器の正しい操作法、基礎的実験手法を身につける。
【授業概要(キーワード)】
生体運動、モータータンパク質、電気泳動法
【科目の位置付け】
この実習は、山形大学理学部のカリキュラムポリシーの内、「専門分野における知識の修得を目的に、高等学校教育から基盤教育への接続に留意した理学分野の基礎的教育を実施し、その上に講義、実験、演習を中心とした専門教育を体系的に行う。」という理念に則り行う。
【授業計画】
・授業の方法
個人単位の実習を基本とする。各人に顕微鏡一式を配布し生体運動の観察とその仕組みの解説を行う。
・日程
第1回:授業概要の説明および実験に用いる器具に関する基礎知識の解説 第2回:各種試薬溶液・緩衝液の調製法の解説 第3回:各種試薬溶液・緩衝液の調製 第4回:タンパク質の分離法精製法の原理と基本操作の解説 第5回:タンパク質の分離法精製の実習① 第6回:タンパク質の分離法精製の実習② 第7回:電気泳動法の原理と基本操作の解説 第8回:電気泳動法の実習① 第9回:電気泳動法の実習② 第10回:電気泳動法によるタンパク質の分子量推定法の解説 第11回:電気泳動法によるタンパク質の分子量推定の実習 第12回:画像解析の基礎の解説 第13回:画像解析の実習 第14回:データ解析 第15回:まとめとレポート課題の説明
【学習の方法】
・受講のあり方
実験操作はわずかな不注意が事故の原因となるので、実習中は注意事項を遵守し実験操作に集中して下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめテキストを配布するので、実習までに実験操作の手順とその目的の把握をしておくことを勧めます。 実験操作の理論、注意点について適宜説明を行うので、実験結果と併せてそれらについて必ずその日のうちにノートをまとめるよう心がけて下さい。
【成績の評価】
・基準
提出された実習に関するレポートにおいて、実験の「目的」、「方法」、「結果」、「考察」について一般的なラボレポートの体裁に即して適切に実験結果がまとめられていることを合格基準とする。
・方法
レポート(100点)
【テキスト・参考書】
テキスト:テキストは指定せず、実験の概要を記したプリントを配布する。 参考書:・Lodish, H. 他 著, 石浦章一他 訳,"分子細胞生物学 第6版",(東京化学同人,2010) ・Voet, D. 他 著, 田宮信雄他 訳,"ヴォート生化学 第3版",(東京化学同人,2005)
【その他】
・学生へのメッセージ
どういった研究分野で研究を行う場合にも共通して必要とされる基本的な知識があります。 本授業科目では生化学を中心としていますが、広く応用できる技術の解説を中心に行いますので、実験を通じて少しでも多くの基礎を身に付けてほしいと思います。
・オフィス・アワー
随時
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