地球史科学Ⅰ
 History of the Earth I
 担当教員:本山 功 (MOTOYAMA Isao)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科(ただし平成28年度以前の入学者に限る)  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
地球の歴史を概観する.前半では日本列島の生いたち,後半では生命の歴史について学ぶ.
変動する地球についての基礎的理解とイメージを養うことをねらいとする.地球の歴史(地球史)には,大陸移動や山脈の形成といった固体地球(岩石圏)の変動の歴史と,その上に広がる気圏・水圏・生物圏の歴史とがある.学期の前半では日本列島を題材にして山脈や大陸,島弧の形成に焦点を当て,後半では地球生命の変遷に焦点を当てる.

【授業の到達目標】
(1)日本列島の地質学的特徴と,その形成に関わった主要な地質過程(付加作用,島弧の衝突,日本海の開裂など)に関する基礎を理解し、説明できる.
(2)過去40億年間の生命史の概要を理解し、説明できる.

【授業概要(キーワード)】
海洋地殻,大陸地殻,島弧,プレートテクトニクス,大陸移動,地殻変動,付加作用,古地理,地質時代,化石,気候変動

【科目の位置付け】
理学についての深い知識を修得し、自己の中に体系化することにより、幅広い視野と探究心を育むことを目的とする。(理学部ディプロマポリシー2より)
地球環境学科の学習・教育の到達目標(D)「地球環境学の基礎知識を修得し,それを問題解決に応用しうる能力を身につける」のうち(D-1)「地球内部物質の成り立ちと地球の歴史に関する専門知識とその応用」に関与する.この授業と関連の深い科目には,「地球史科学II・III・IV」・「地球史科学実験」などがある.理学部学生便覧別表5-3を参照.

【授業計画】
・授業の方法
プリントを配布し,講義形式で授業を進める.適宜画像投影を行う.
・日程
おおむね次の項目と順序で進める。
1回目:ガイダンス。日本列島の地質学的特徴   2回目:地殻変動(レポートを含む)  3回目:プレートテクトニクス   4回目:海洋プレート層序、付加作用と付加体   5回目:付加体と西南日本の地質   6回目:日本海の誕生   7回目:日本海形成後の日本列島(小テストを含む)   8回目:北海道の生いたち―日高山脈と島弧の衝突   9回目:生命史1―地球・海・生命の誕生    10回目:生命史2―先カンブリア時代    11回目:生命史3―古生代    12回目:生命史4―中生代    13回目:生命史5―新生代    14回目:生命史6―人類紀    15回目:生命史のまとめと期末テスト

【学習の方法】
・受講のあり方
板書,口話,映像などをしっかりノートに筆記する.
・授業時間外学習へのアドバイス
地球の内部構造,プレートテクトニクス,主要岩石(カンラン岩・ゲンブ岩・カコウ岩)について調べること.主な地質時代(代紀)の名称と数値年代を暗記すること.授業で扱ったキーワードについて参考書・専門書などで調べて理解を深めること.

【成績の評価】
・基準
下記参考書レベルの理解が達成されたかどうかを評価基準とする.講義内容の理解度とレポートを重視する.
出席回数が10回に満たない場合は,理由の如何によらず不合格とする.
・方法
小テスト,レポート,期末試験の割合を3:3:4程度とする.到達目標(1)と(2)の割合を7:3程度とする,

【テキスト・参考書】
・参考書
「日本列島の誕生」平 朝彦,岩波新書
「日本列島のおいたち 新版地学教育講座8巻」地学団体研究会編,東海大学出版会
「化石と生物進化 新版地学教育講座6巻」地学団体研究会編,東海大学出版会(特に第5章)
「ニューステージ新地学図表」浜島書店

【その他】
・学生へのメッセージ
生命の歴史に関しては2年生の「地球史科学III」の授業で学習を深める.地球環境の歴史については3年生の「地球史科学IV」で学習を深める.
・オフィス・アワー
水曜と金曜以外の研究室にいる時間。

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