地球史科学Ⅱ
 History of the Earth II
 担当教員:丸山 俊明(MARUYAMA Toshiaki)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
 地層には地球の歴史が記録されている。地球の歴史を紐解くために、地層がどのように調査され、どのように研究の対象となってきたのか、地層を主眼にすえて地球史の基本的な事象を学ぶ。

【授業の到達目標】
 地層が形成される海洋底を主体に地質学や地史学の基礎を学ぶ。まず、地球の基本的な構造やプレートテクトニクスの概念を把握し、海洋底の拡大消滅や大陸移動について理解する。次に地球史科学の基本事項を通覧したのち、地層に残された記録から生物進化の歴史や地球環境の変遷を解明するための手法を学ぶ。
 (1)地球表層や海洋底の構造や歴史について理解し、説明できる。
 (2)地層と地球環境との関わりについて理解し、説明できる。
 (3)地質図の読み方と書き方の基礎を習得する。

【授業概要(キーワード)】
 地層 堆積学 層位学 地質図

【科目の位置付け】
 理学部のディプロマ・ポリシー2、カリキュラム・ポリシー2および学科の学習・教育目標D−1に対応し、地球環境学の基礎知識を修得し、それを問題解決に応用しうる能力を培うための科目であり、地球内部物質の成り立ちと地球の歴史に関する専門知識とその応用に深く関与する授業として位置づけられる。

【授業計画】
・授業の方法
 通常の講義に加えて、地質図の作図演習もおこなう。DVD教材なども併用する。
・日程
  1 島弧−海溝系としての日本列島、あなたはどこに住んでいますか
  2 火山と火成岩、あなたの家の墓石は何ですか
  3 地球の形・重力・地磁気
  4 プレートテクトニクスとプルームテクトニクス
  5 地下水と地盤沈下、山形名物の無散水消雪って何ですか
  6 地質調査と地質図
  7 地質図の読み方と書き方
  8 中間考査(授業前半のまとめと中間試験)
  9 地球の歴史と生命の進化、生きている化石
 10 地球の歴史と生命の進化、恐竜からヒトまで
 11 地質年代と系統、T・レックスとジュラシックパーク
 12 生物の名前と地層の名前、山形大海牛を知っていますか
 13 深層海流と気候変動
 14 海洋掘削調査、進め「ちきゅう」
 15 期末考査(授業後半のまとめと期末試験)

【学習の方法】
・受講のあり方
 毎回、小テストやミニッツペーパーの提出を求める。キーワードや感想、および質問などをミニッツペーパー形式で集め、学修状況の把握や理解度の評価に役立てる。プリントの配布やミニッツペーパーの回収はその回限りとする。宿題や課題等の提出をもって当日の受講資格とする。
・授業時間外学習へのアドバイス
 宿題や作図課題等を課す。

【成績の評価】
・基準
 宿題、小テスト、作図課題、中間試験および期末試験において、すべての評価項目(各100点)の平均点をもって到達目標(1)(2)(3)の達成度を等価に評価する。評価の機会が複数回あるので、不合格者救済のための再試は行わない。特別に配慮すべき理由のないまま宿題等の課題が未提出の場合には、当日の受講権利を自ら放棄したものと判断し、連携する小テスト等を零点と評価する。
・方法
 全得点の平均点をもって評点とする。評価項目のひとつでも未完の場合は不合格とする。出席点という評価基準は使わない。

【テキスト・参考書】
 テキスト:ニューステージ新地学図表 浜島書店
 参考書:Fritz and Moore 著(原田憲一訳) 「層序学と堆積学の基礎」 愛智出版
 参考書:日本地質学会訳編 「国際層序ガイド」 共立出版
 参考書:坂 幸恭著 「地質調査と地質図」 朝倉書店
 参考書:長谷川・中島・岡田著 「フィールドジオロジー2 層序と年代」 共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
 小中学生の弟や妹さんからムー大陸やアトランティス大陸はどこにあるのと質問されたとき、地球史科学の知識を総動員して答えられるようになれば、あなたも地球環境学科の立派な学生さんといえるでしょう。

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