野外演習Ⅱ
 Excursions in Geoscience Ⅱ
 担当教員:地球環境学科全教員
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:地球環境学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
 地球環境学の野外における調査研究を行う上で必要な,各種地表調査の基本事項について実習する.
 地表付近を構成している代表的な地層,岩石および雪氷などの産状を記載する方法を現地における実習によって体得する.野外で実物を観察したり標本を手に取ることにより,「もの」を調査する重要性を認識する.自然現象を科学的に観察し,的確に記録するための基礎的な訓練を行う.自然環境の厳しさと美しさを自ら感じ取り,自分自身の安全を確保しつつ環境を破損することのない堅実な調査手法を身につける.

【授業の到達目標】
 野外で観察した事物事象を専門的な知識によって説明できるようになる.具体的な目標は,(1)野外調査活動の基本を修得し,(2)図表や写真等を自分で工夫して調査結果をレポートにまとめられるようになること,である.

【授業概要(キーワード)】
 野外調査,地質,雪氷,防災,安全

【科目の位置付け】
 理学部のディプロマ・ポリシー2,カリキュラム・ポリシー2および学科の学習・教育目標Eに対応し,多様な野外調査方法を修得し,調査結果の総合的解析法を実践する授業として位置づけられる.2年前期の「野外演習Ⅰ」の履修を前提として,野外調査の技能をさらに高める.

【授業計画】
・授業の方法
 山形県内や隣県の下記の場所でそれぞれのテーマに即した日帰り実習を行う.詳しい日程は掲示などで事前に知らせるので注意すること.事前説明会や事後指導が開催される場合は掲示されるので注意しておくこと.
・日程
 1.盃山方面:地質調査:中島(10月上旬)
 2.県民の森・荒沼:湖沼の環境調査とコアの採取:ジョルダン(10月中旬)
 3.仙台巡検:段丘および地質古生物:丸山(11月下旬)
 4.新庄(防災科研長岡雪氷研新庄支所と雪の里情報館の見学):雪氷防災:柳澤(10ー11月の平日)

【学習の方法】
・受講のあり方
 野外での実習になるので,野外調査にふさわしい服・靴などを着用すること.実習の前後に事前説明会や事後指導があるので必ず出席すること.
 調査用具については事前説明会で確認すること.◇ハンマー ◇クリノメーター ◇ルーペ ◇調査カバン ◇タガネ ◇野帳 ◇昼食 ◇傘や合羽 ◇筆記用具 ◇スケッチ板 ◇粒度板 ◇サンプル袋 ◇地形図 ◇メジャー ◇軍手 ◇油性ペン,これらのうち、個人で用意する品と,学科から貸与される物があるので必ず確認すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
 授業時間外学習として,実習での調査結果をレポートとしてまとめる課題を出す.
 事前に配布される資料を読んでおくこと.
 実習後はすみやかに実習での調査結果を整理しておくこと.

【成績の評価】
・基準
 野外での実習に主体的に取り組んだかどうか,地表調査の基本的な技術を習得できているかどうか,観察したことを科学的な文書や図表として表現できるかどうかを評価基準とする.到達目標(1)(2)の割合はそれぞれ50%である.
・方法
 全日程のレポート100%で評価する.病気等やむを得ない理由による欠席やレポートの未提出分については,翌年に該当する実習を補充しなければならない.

【テキスト・参考書】
 実習に必要な資料は毎回配付する.
 参考書:狩野謙一「野外地質調査の基礎」,古今書院,1998
 参考書:坂 幸恭「地質調査と地質図」,朝倉書店,1993
 参考書:三梨昴・山内靖喜(編著)「地学ハンドブックシリーズ・2,地質調査法」地学団体研究会,1987
 参考書:天野一男・秋山雅彦「フィールドジオロジー入門」日本地質学会(編),共立出版, 2004
 参考書:天野一男・狩野謙一「構造地質学」日本地質学会(編),共立出版, 2009

【その他】
・学生へのメッセージ
 「野外演習I」に引き続き,自然の事物や現象を科学的に観察してその姿を的確に記録するなどの,基礎的な訓練を行なう.実物を手にとって自分の目で見ないと,一連の実習は身につかない.
 原則として雨天決行.集合はすべて理学部正面玄関前とする.集合は8時20分までとし,8時30分に出発するので,時間に遅れないこと.交通費と保険料の負担が必要である.事前に集めるので,連絡に注意しておくこと(連絡先:丸山俊明).
 他学科の授業と重なるときは,受講している授業の担当教員に,各自事前に申し入れること.病気等の理由で欠席する際は必ず事前に担当教員へ連絡すること.

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