地球物質科学Ⅲ
 Earth Material Science III
 担当教員:伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
火山ーその分布・噴火現象から噴火予知までー
 火山噴火は我々に地球内部の熱エネルギーのすさまじさを最も身近に実感させる現象であると共に、地球46年の歴史の中で絶えず続いてきたものです。この授業では、火山学の基礎知識を学び、地球環境学分野の諸問題の解決に役立てる能力を養います。日本は世界でも有数の火山国です。それをもたらしたマグマの熱エネルギーは地熱発電などにも有効利用されています。その一方で噴火による災害も頻発しています。火山噴火予知研究についても学びます。

【授業の到達目標】
 火山噴火事例を概観した上で、火山に関する基礎知識を習得し、噴火履歴やマグマの進化について学びます。1)~3)を理解し,説明できるようになることが目標です。1)火山の分布、噴火頻度や有名な噴火事例、2)火山の型、噴出様式、噴出物の種類、3)火山の噴火史およびマグマの進化。

【授業概要(キーワード)】
火山、噴火、火山噴出物、マグマ、噴火予知

【科目の位置付け】
 理学部のカリキュラム・ポリシー2,3、ディプロマ・ポリシー2に対応する科目です。地球環境学科の学習・教育目標のD.地球環境学の基礎知識を習得し、それを問題解決に応用しうる能力のD-1に主体的に関与します。火山学は学際的な学問なので、岩石学、地質学、地球化学、地球物理学の知識を活用する柔軟性をもつことが望ましいです。

【授業計画】
・授業の方法
 各回のテーマに関してパワーポイントを用いて説明を行います。パワーポイントのシートは印刷して配布します。また、知識を深めるために最後に簡単な演習を行うことがあります。
・日程
 以下の順に進めて行く予定です。授業内容の節目にレポート課題を出します。
1.火山、噴火とは 2.地球、惑星の火山ー分布,テクトニクスとの関係など 3.最近の噴火例(御岳、阿蘇、桜島、霧島など) 4.噴火の頻度(蔵王山、鳥海山など)5.噴火様式1(噴火タイプ概要、イエローストーン) 6.噴火様式2(噴火メカニズム、噴火タイプ)7.噴出物の産状と岩相1 8.噴出物の産状と岩相2 9.火山体の種類と構造 10.火山体の発達過程 11.火山灰層序学 12.史料火山学 13.マグマ溜りについて 14.火山噴火予知研究 15.授業のまとめと到達度評価

【学習の方法】
・受講のあり方
 パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配布しますので、授業中に補足し、またファイルにまとめて内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 次回のテーマについて参考書で該当する箇所を読んでおくと良いでしょう。また、その日に配られたプリントを整理し、また、専用のファイルなどまとめておくと良いでしょう。

【成績の評価】
・基準
 火山の分布、噴火頻度や有名な噴火事例についての知識や、火山の型、噴出様式、噴出物の種類などの知識を正確に身につけ、火山の噴火史およびマグマの進化について理解できるようになることが合格の基準です。
・方法
 上記目標(1)-(3)への到達度を提出されたレポートの内容と期末試験で評価します。レポート50%、試験50%で評価します。目標毎の割合は、(1)が30%、(2)と(3)それぞれ35%です。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜プリントを配布します。
参考書:宇井忠英(編)「火山噴火と災害」東大出版会 1997 横山・荒牧・中村(編)「火山」岩波書店 1992 中村・松田・守屋「火山と地震の国」岩波書店 1995 下鶴・荒牧・井田(編)「火山の事典」教文堂 1995 巽好幸「安山岩と大陸の起源」ローカルからグローバルへ 東大出版会 2003

【その他】
・学生へのメッセージ
 火山は面白いです。一方で噴火災害にも気を付けなければなりません。地球科の学生の多くの受講を期待しています。山形には火山が多数存在するので、日頃から気に留めておくと良いでしょう。
・オフィス・アワー
授業終了後

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