地球物質科学Ⅳ
 Earth Material Science Ⅳ
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地殻の主な構成物質である深成岩と変成岩の性質と成因について講義を行う.
深成岩と変成岩は大陸地殻の主要構成岩石である.この授業では深成岩と変成岩の分類法,地質年代,地質環境,成因などについて解説し,地殻の成り立ちを理解する.

【授業の到達目標】
深成岩と変成岩の地質学的,岩石学的,地球化学的な基礎知識を学び習得する.具体的な目標は.(1)深成岩と変成岩の分類法と地球化学的特徴を把握する,(2)深成岩の岩石構造から上昇・貫入過程を推定する方法を学ぶ,(3)花崗岩類の種々の系列・タイプと地質環境との対応関係を理解する,(4)島弧におけるマグマの生成過程を理解する,である。

【授業概要(キーワード)】
大陸の形成,深成岩,変成岩,地殻,上部マントル,マグマの生成

【科目の位置付け】
この授業は,理学部ディプロマ・ポリシーの2,カリキュラム・ポリシーの2に対応する.これまでに学習した「地球物質科学Ⅰ(鉱物学),Ⅱ(岩石学),実験(岩石学実験)の基礎知識に基づいて,固体地球に関する理解を深める.学習・教育目標の「D-1 地球内部物質の成り立ちと地球の歴史に関する専門知識とその応用」に関与する.

【授業計画】
・授業の方法
Keynote,プリント,岩石試料を使って講義を行う.
・日程
1.ガイダンス,深成岩類の分類と命名法
2.地殻の形成と進化(概説)
3.日本の深成岩・変成岩
4.I-、S-、M- およびA-type花崗岩
5.磁鉄鉱系花崗岩とチタン鉄鉱系花崗岩(関連する金属鉱床を含む)
6.岩石の構造と深成岩類の上昇・貫入過程
7.深成岩類の微量元素組成,REEパターン
8.分別結晶作用とマグマの進化
9.Sr, Nd同位体組成からみる日本の深成岩類
10.沈み込み帯における花崗岩質マグマの生成
11.変成岩・変成作用
12.深成岩・変成岩の解析と大陸地殻形成テクトニクス
13.深成岩・変成岩の解析と大陸地殻形成テクトニクス
14.天然資源としての深成岩・変成岩
15.授業全般に関するとりまとめと期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
講義内容をKeynoteで示すので,ノートに筆記して内容の理解に努めること.
・授業時間外学習へのアドバイス
地球物質科学Ⅰ(鉱物学),Ⅱ(岩石学),実験(岩石学実験)を復習しておくこと.

【成績の評価】
・基準
深成岩と変成岩の分類,地球化学的特徴,深成岩の上昇・貫入過程,花崗岩系列,島弧におけるマグマの生成過程に関する基本的な事柄を理解できているかどうかを,ミニッツペーパー・レポート・期末試験にて確かめる.
・方法
期末試験の点数(50%)とミニッツペーパー・レポート(50%)を総合して行う.目標(1)-(4)の割合は,それぞれ25%ずつである.

【テキスト・参考書】
テキスト:無し.
参考書:ピッチャー著,田中・沓掛訳 「花崗岩の成り立ち,その性質と成因」 愛智出版,2002年.
周藤・小山内著「岩石学概論 上・下」共立出版,2002年.
その他講義の中で紹介する.
周藤・小山内著 「記載岩石学 上・下」 共立出版、2002年
周藤・牛来著 「地殻・マントル構成物質」 共立出版、1997年
都城秋穂著 「変成作用」 岩波書店、1994年

【その他】
・学生へのメッセージ
岩石の解析から地球を概観する面白さがあります.
・オフィス・アワー
在室のときはいつでも可.

30500272-2017-03-35383