物質循環科学Ⅳ
 Earth Material Cycles I
 担当教員:中島 和夫(NAKASHIMA Kazuo)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
地殻表層部での物質循環、水-岩石相互作用についての基礎を学び、そのメカニズム・生成環境を探る手法について習得する。
地殻表層部のさまざまな現象について定量的に把握する手法を身につけ、それを社会に役立てることを意識できるようにするのがこの授業のねらいである。

【授業の到達目標】
1)水-岩石反応に係わる基礎的な化学平衡を理解し、簡単な平衡反応を組み立てることができる。
2)堆積作用 → 続成作用~熱水変質作用の一連の変遷過程を理解し、自然現象の生成環境を考えることができる。
3)地質温度計・地質圧力計を理解し応用することができる。

【授業概要(キーワード)】
化学的風化作用、続成作用、熱水変質作用、流体包有物、地質温度計・圧力計、熱力学

【科目の位置付け】
必修科目の「物質循環科学III」に関連し、より定量的に把握する。
理学部のカリキュラム・ポリシー2、ディプロマ・ポリシー2に対応する科目である。地球環境学科の学習・教育目標の「(D)地球環境学の基礎知識を修得し、それを問題解決に応用しうる能力を身につける。」のうち、「(D-2)地球の物質循環や動態に関する専門知識とその応用」に主体的に関与する。

【授業計画】
・授業の方法
講義と演習形式で授業を行う。主にプリントを配布し、関連するビデオなどを時々観賞する。
・日程
  1)ガイダンス               2)風化作用と物質の動態
  3)土壌断面                4)鉱物の分類と粘土鉱物I
  5)粘土鉱物II               6)イオンポテンシャル 
  7)酸化還元電位              8)Eh-pH図と沈殿・堆積作用
  9)続成作用               10)熱水変質作用
  11)熱水変質作用と化学平衡       12)地質温度計・圧力計I
  13)地質温度計・圧力計II        14)機器分析の基礎知識
  15)試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
授業では岩石学、鉱物学、堆積学、資源科学等の基礎知識の上に立って行うので、復習しておく必要がある。
・授業時間外学習へのアドバイス
簡単な計算を伴うようなレポート課題を時々出す。

【成績の評価】
・基準
目標に挙げた(1)~(3)の内容が理解できたかを授業中の演習、レポート、試験で評価する
・方法
提出物、試験を同率で評価する。目標(1)~(3)の割合は同率である。

【テキスト・参考書】
参考書:
・日本地質学会監修「地学は何ができるか」(愛智出版)
・Bメイスン「一般地球化学」(岩波書店)
・渡辺 正訳

【その他】
・学生へのメッセージ
多様な自然現象を理解するために、簡単な化学平衡の手法を取り入れます。課題がいくつか出ますが、楽しみながらこなしていきましょう。
・オフィス・アワー
在室の時はいつでも可。

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