人体物質代謝学
 Human Metabolism
 担当教員:藤井 順逸(FUJII Junichi)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:1年  開講学期:通年  単位数:4単位  開講形態:講義・実習
 開講対象:医学部医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
物質代謝・エネルギー代謝に関わる遺伝子・酵素・生化学反応・細胞などについての総合的な理解
「医学教育モデル・コア・カリキュラム」で「医学一般」に分類されている、(5)生体物質の代謝、と、(6)核酸の構造と複製、について主に修得する。
代謝についての理解があってはじめて、それに関連する疾患の病因・病態が理解できる。臨床講義の根本的理解に必要不可欠なので、しっかりと修得する。

【授業の到達目標】
主要な人体の代謝や細胞の機能を、分子レベルで理解し、概略について説明できるようになる。
詳細は「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の関連項目の獲得目標を参照のこと。

【授業概要(キーワード)】
物質代謝、細胞生物学

【科目の位置付け】
ほとんどの専門科目の基礎となるので、1年次に十分習得しておく必要がある。

【授業計画】
・授業の方法
毎回資料を配布し、主にPower Point を用いて行なう。
・日程
【講義】
・細胞の概要、アミノ酸、糖の役割・解糖、TCAサイクル、電子伝達系、タンパク質構造と機能I, II、糖新生とその他の糖代謝、核酸の生合成と分解、脂質の合成、アミノ酸代謝、酵素反応と調節、ビタミン・補酵素、生体金属、タンパク質合成、タンパク質分解、細胞周期・細胞分裂代謝の統御、細胞膜と細胞の機能、細胞接着、細胞骨格と運動、核酸の生合成と分解、DNAの複製、DNAの傷害と修復、活性酸素とレドックス反応I,II、放射線と生物、脂質の構造と機能・脂質の分解(2回)、細胞小器官の働きI,II(1回、田中敦准教授)、 細胞間情報伝達、細胞内情報伝達I-III、主要臓器の代謝I,II、細胞老化と細胞死、癌細胞の特性: 実験動物の取り扱い(2回):ヘムの合成・分解(1回、中島修教授担当)、実習・レポートの書き方
【実習 】分子病態学講座・遺伝子実験センター・生化学解析センター・動物実験センターと合同で行なう。5つのグループに分かれて5種類の内容をローテーションで行う実習を中心に、1回だけはコンピューターを用いた実習を全員で行なう。
実習テキストならびに詳細については、実習の前に行われる説明会で配布・説明する。

【学習の方法】
・受講のあり方
きちんと出席し、単なる暗記ではなく、総合的・論理的に理解すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義ごとに大事なスライドについてはプリントを配布するので、整理して活用すること。
授業では重要なポイントを中心に説明するが、それだけでは不十分なので、教科書や参考書を活用して理解を深めること。

【成績の評価】
・基準
4分の3以上の講義に出席しない者には試験を受ける資格を認めない。主に記述試験で評価するので、文章で説明できるまでに授業内容を正確に理解しておくこと。
実習については基本的に欠席は認めない。出席とレポートの提出をもって受講とみなす。
・方法
講義に関連した試験と実習を合わせて評価を行う。講義については理解度をみるために小テストを何度か行うが、試験の結果には反映しない。
範囲が広いので前半と後半の2回に分けて試験を行う。60点以上合格とし再試験はそれぞれの範囲について1度のみ行う。試験が合格点でも、実習を行い、レポートを提出しなければ科目を習得したとは認められない。

【テキスト・参考書】
授業中に適宜紹介する。特に指定はしないが、生化学・分子生物学に関する、自分に合った参考書を1冊はもつこと。
ハ―パ―「生化学」、石浦章一他訳「分子細胞生物学」東京化学同人、林 典夫・広野治子編集「シンプル生化学」南江堂、などの最新版

【その他】
・学生へのメッセージ
生命活動を分子レベルで理解しておくことは、専門を学ぶ上だけでなく、日常生活にも必ず役立つ。

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