統計学・疫学
  Introduction to epidemiology and biostatistics
 担当教員:川崎 良(KAWASAKI Ryo)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:講義・実習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代の医学は基礎研究、臨床研究問わず膨大な研究成果の蓄積に支えられ、かつ、日々進歩している。そのような医学研究に触れる時に、どのような考え方でその研究が行われているのか、大きな研究デザインの理解が必要になる。あるいは、自ら研究を行おうとする際には課題を研究計画に落とし込むための判断が必要となる。このように研究を適切に理解する、さらには適切に計画するためには疫学と生物統計学の二つのリテラシーが欠かせない。この講義では医学研究の考え方、計画、実行、解析、解釈の方法論の基礎となる疫学そして生物統計学について学ぶ。

【授業の到達目標】
① 医学研究の基本的な考え方として研究デザイン、情報の収集、基本的な統計解析、そして結果の解釈について理解し説明できる。
② 疫学的思考法で自らのアイディアを研究デザインとして計画することができる。
③ 与えられた情報から適切な統計学的解析を選択し、解析し、結果を解釈できる。

【科目の位置付け】
医学研究の計画や実施する、あるいはより身近なところでは医学研究論文を読み解く、といった際には疫学的な思考法と生物統計学の理解が助けになる。医学教育の初期段階に疫学と生物統計学の理解を深めることでその後の基礎医学、臨床医学の知識を学ぶ土台を整えることになると考える。

【授業計画】
・授業の方法
講義・グループ演習・個人演習
・日程
・講義時間:前期 水曜日 11:20-12:00 / 13:00-14:40

疫学(1):イントロダクション / 記述疫学
疫学(2):分析疫学(1)/ 標本調査
疫学(3):分析疫学(2)/ 因果推論
疫学(4):介入疫学
疫学(5):システマティックレビューとメタアナリシス・政策疫学
疫学(6): 小テスト
疫学(7):まとめ
統計学(1):データの型、代表値とばらつきの指標
統計学(2):点推定と区間推定
統計学(3): 2群間の連続変数の比較
統計学(4):比率の差の比較カテゴリー変数
統計学(5):相関
統計学(6):ノンパラメトリック検定
統計学(7):3群以上の比較
統計学(8):多変量解析の考え方
統計学(9):小テスト
統計学(10):まとめ
なお上記予定は都合により変更になる事がありうる。

【学習の方法】
・受講のあり方
参加型の講義であり、質疑応答形式、グループワークへの参加、発表が求められる。演習ではR/EZRを用いた統計解析を行う。
・授業時間外学習へのアドバイス
毎回の授業内容について、予習、講義、演習、実践のサイクルを積み重ねていただきたい。授業中に理解できなかった点や詳しく知りたいと思った点は講義中に質問する事を強く進める。1人の学生の質問は、クラス全体の理解を深める貴重な質問になる。授業時間外であれば図書館、インターネットなどを利用して各自で調べるほか、学生間でのディスカッション、教員とのディスカッションで理解を深めていただきたい。

【成績の評価】
・基準
平常の授業参加、ミニテスト、出席とレポートによる。
・方法
(1)講義における出席
(2)演習に基づくレポート
(3)小テスト

【テキスト・参考書】
・ はじめて学ぶやさしい疫学 改訂第2版 日本疫学会、 田中平三他編集
・ ロスマンの疫学―科学的思考への誘い Kenneth J. Rothman著, 矢野 栄二他訳
 (原本 Epidemiology: An Introduction Kenneth J. Rothman)
・ 疫学 -医学的研究と実践のサイエンスLeon Gordis著, 木原正博他訳
 (原本Epidemiology Leon Gordis)
・ 基礎から学ぶ楽しい疫学 中村 好一
・ 今日から使える医療統計 新谷歩 医学書院
・ EZRで哉朝しく学ぶ統計学 2版 神田善伸

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