病理病態学(病理診断学)
 Pathology
 担当教員:山川 光徳(YAMAKAWA Mitsunori)、大江 倫太郎(OHE Rintaro)、樺澤 崇允(KABASAWA Takanobu)、アウン・ナイン・イエイ(AUNG Naing Ye)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:4単位  開講形態:講義・演習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
炎症の分類・発症機序、創傷治癒、再生、線維化、免疫病理(過敏症、アレルギー)、感染症といった炎症性疾患の基礎を理解することを目的とする。また、生活習慣病と循環障害の関連、循環障害の病因とその転帰を、腫瘍の発生病因と病理・病態の概略を、さらに病理診断と病理医の役割について理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
[細胞傷害・変性と細胞死]
一般目標:細胞傷害・変性と細胞死の病因と細胞・組織の形態学的変化を理解する。
到達目標:細胞傷害・変性と細胞死の多様性、病因、組織の形態学的変化の特徴と意義を説明できる。

[炎症と創傷治癒]
一般目標:炎症の概念と感染症との関係、またそれらの治癒過程を理解する。
到達目標:炎症の定義、分類、組織形態学的変化と経時的変化、感染症による炎症性変化及び創傷治癒の過程を概説できる。
[循環障害]
一般目標:循環障害の病因と病態を理解する。
到達目標:1)血行異常(虚血、充血、うっ血、など)の病態、2)出血の原因と止血の機構、血栓症、塞栓症と梗塞の病態を説明できる。
[腫瘍]
一般目標:腫瘍の病理・病態、発生病因・疫学・予防、症候、診断・治療と診療の基本的事項を学ぶ。
到達目標:
(1)病理・病態:
1)腫瘍の定義、2)肥大、増生、化生、異形成と退形成、3)良性腫瘍と悪性腫瘍の違い、4)上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍の違い、5)腫瘍細胞の異型性と多型性、6)腫瘍と染色体異常の関係、7)局所における腫瘍の増殖、局所浸潤と転移を説明できる。
(2)発生病因・疫学・予防:
1)腫瘍発生に関わる遺伝的要因と外的因子、2)がん関連遺伝子(がん遺伝子とがん抑制遺伝子)の変化、3)悪性腫瘍の疫学と悪性腫瘍の予防(検診を含む)を概説できる。

【授業概要(キーワード)】
炎症、創傷治癒、免疫病理(過敏症)、感染症、循環障害、腫瘍、細胞診、病理診断

【科目の位置付け】
病理学総論、病理診断学の基本

【授業計画】
・授業の方法
教科書を基本として、講義用レジメと関連資料を配布して講義する。
・日程
毎週水・木・金曜日の5〜8校時(13:00〜16:30)に行う。必要に応じて病理組織標本の顕微鏡観察も行う。
2017年
第1・2回目 細胞傷害
第3〜5回目 炎症
第6・7回目 創傷治癒、再生と線維化
第8〜10回目 免疫病理
第11回目 樹状細胞の病理
第12〜14回目 免疫病理と自己免疫疾患
第15・16回目 感染症
2018年
第17・18回目 循環障害
第19・20回目 腫瘍
第21回目 細胞診(感染症と腫瘍)
第22回目 血液像の見方
第23回目 病理解剖
第24回目 病理と臨床・キャリアパス

【学習の方法】
・受講のあり方
積極的な姿勢を歓迎します。休憩時間も質問などの時間に使って下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書を指定し、資料等も早めに配布しますので、活用して下さい。理解できなかったことを、そのままにしないで、常に質問などによって解決して下さい。

【成績の評価】
・基準
出欠を必ず毎回チェックします。規定の出席回数に満たなかった場合には、筆記試験の受験資格を失います。筆記試験で成績を評価しますが、実習があった場合には、スケッチ内容も評価します。
・方法
原則として、筆記試験(100点満点)を行い、60点以上を合格とします。

【テキスト・参考書】
[テキスト]
「ルービン病理学 —臨床医学への基盤—」(初版)、鈴木・中村・深山・山川・吉野監修、西村書店(2007年)
「ダイナミック病理学 —365症例からのアプローチ—」(初版)、鈴木・山川・吉野監修、西村書店(2010年)

[参考書]
「カラーアトラス・マクロ病理学」(第3版)、山川・横井・吉野監訳、西村書店(2005年)

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書的な内容にとどまらず、最新の情報も提供します。筆記試験への対応には、過去問や資料だけでは不十分です。是非、教科書を活用して下さい。
・オフィス・アワー
随時、受け付けますが、できればアポをとって下さい。

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