【授業の目的】
患者が直面する痛みとは?どのようなケアが求められているのか?どのようなケアが有効なのか?死にゆく人に寄り添うことはできるのか? この授業では,緩和ケアの基礎的な知識と技術を身につけることを目的とする。
【授業の到達目標】
1)全人的苦痛および死の受容過程のアセスメントと援助を述べることができる。 2)症状マネジメント,疼痛のアセスメントと援助について述べることができる。 3)終末期にある患者の家族ケアについて述べることができる。 4)看護技術(リラクセーション,タッチング)を実施し,その効果について結論づけることができる。 5)緩和ケアと看護師の役割について記述することができる。
【授業概要(キーワード)】
学生主体型授業,緩和ケア,全人的苦痛,死の受容, 症状マネジメント,リスクコミュニケーション,グリーフケア
【科目の位置付け】
1)この授業は,生命の尊厳と人間としての権利を重んじ,看護サービスを受ける人々を常に擁護する立場に立ち,その人らしい生活を支援する看護を提供できる知識・技術を習得するものである。(医学部看護学科ディプロマ・ポリシーより) 2)「山形大学医学部Student Nurse」の認定,ならびに看護師国家試験の受験資格を得るために必修となる科目である。
【授業計画】
・授業の方法
1)教員からの一方通行の授業だけでなく,学生のグループ討議・発表会,技術演習によって授業を進めていく。 2)課題レポートを作成することによって,看護の在り方について各自の考えを明らかにしていく。 課題【緩和ケアにおける看護師の役割について】 1,600~2,000文字にまとめる 提出期限:6月6日(火)17時まで
・日程
5月9日~5月30日 火曜日 ①13:00~14:30 ②14:30~16:10 第1回目 5月9日 ① 全人的苦痛とQOL,緩和ケアとは何か,緩和ケアの現状 第2回目 5月9日 ② 緩和ケアにおける看護師の役割:DVD鑑賞とグループ討議・発表 第3回目 5月16日 ① 身体症状の治療と看護:講義,グループ討議 (齋藤 一美) 第4回目 5月16日 ② 身体症状の治療と看護: グループ討議・発表(齋藤 一美) 第5回目 5月23日 ① 精神症状の治療と看護, 社会的支援, スピリチュアルケア 第6回目 5月23日 ② 意思決定とコミュニケーション :事例検討会 第7回目 5月30日 ① 安楽・リラクセーション看護技術の効果:実習 第8回目 5月30日 ② 在宅緩和ケア, 臨死期のケア・看取り, 悲嘆と遺族ケア
【学習の方法】
・受講のあり方
1)講義:テキストを購入し,パワーポイントで示される講義内容と照らし合わせて,線を引くなどして活用する。 2)演習:課題に沿ってグループで検討し内容をまとめ,代表者が発表する。 3)実習:配布資料の手順を確認しながら学生同士でケアを実施し,観察測定データを記録・分析してまとめる。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)課題レポートは, テキストp30(表1-4)の中から1つをテーマに選び,自分の意見を論述する。 自分の意見の裏づけとして,文献を読み解いて引用すること,授業で習った知識や自分の経験を具体例とすることが望まれる。 2)緩和医療学会,緩和ケアnet,厚生労働省などのHPから最新情報を得ることができるので活用すること。
【成績の評価】
・基準
1)緩和ケアの基礎的な事項について適切に説明できていること。 2)授業や自己学習を通して得られた知識や経験に基づいて,看護師の役割を考察し,論述できていること。 3)グループ討議,事例検討会,実習に積極的に参画できていること。
・方法
課題レポート80点,提出物10点×2=20点
【テキスト・参考書】
テキスト: 宮下光令編著「ナーシング・メディカ成人看護学⑦緩和ケア」(メディカ出版) 参考書: E・キュープラロス(鈴木晶訳)著「死ぬ瞬間 死とその過程について」(読売新聞社) 柳原和子著「がん生還者たち」(中央公論社) アルフォンス・デーケン著「よく生きよく笑いよき死と出会う」(新潮社) ホスピスケア研究会監修「もしも『余命6ヶ月』といわれたら?」(河出書房新社)
【その他】
・学生へのメッセージ
テキストの看護師国家試験出題基準対照表に記載されているページは,自己学習をしておきましょう。
・オフィス・アワー
・火曜日15時以降,水曜日13時以降 (研究室) ・連絡先: t.yoko@med.id.yamagata-u.ac.jp
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