高分子有機化学Ⅱ
 Organic Chemistry II
 担当教員:東原 知哉(HIGASHIHARA Tomoya)
 担当教員の所属:大学院有機材料システム研究科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機能高分子工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
アルコール・エーテル・アルデヒド・ケトン・カルボン酸・カルボン酸誘導体・アミンについての命名法、合成法、反応、特徴、性質を含む基本的事項を理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
1) 各単元で取り扱う有機化合物の特徴(性質)について説明できる。
2) 教科書で取り上げた有機反応の反応機構を有機電子論に基づき説明できる。
3) 有機化合物の分子構造に基づく、酸性度の議論が行える。
4) カルボン酸誘導体間の求核剤との相対的反応性について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
アルコール・エーテル・アルデヒド・ケトン・カルボン酸・カルボン酸誘導体・アミン

【科目の位置付け】
この授業は、高分子・有機材料工学分野における確かな基礎学力および幅広い専門知識・技術を養成するものである(工学部機能高分子工学科の教育目標)。
また、本授業は「高分子有機化学基礎」「高分子有機化学Ⅰ」に続く有機化学系科目であり、高分子合成化学の基礎となる科目である。並行して開講される「高分子有機化学演習Ⅱ」を必ず受講のこと。

【授業計画】
・授業の方法
板書による講義を行う。反応機構・反応の特徴・化合物の性質などの説明を通して、有機化学の本質を明らかにする。
・日程
第1-2回 17章:アルコールとフェノール
第3回 18章:エーテルとエポキシド
第4-5回 19章:アルデヒドとケトン
第6-7回 20章:カルボン酸とニトリル
第8回 中間試験と解説
第9-10回 21章:カルボン酸誘導体と求核アシル置換反応
第11回 22章:カルボニルα置換反応
第12-13回 23章:カルボニル縮合反応
第14回 24章:アミンと複素環
第15回 期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
反応の丸暗記をすることは意味がなく、本講義の単位を取得することは困難である。反応の本質を理解できるよう努力すること。なお、単位取得には出席を前提とする。
・授業時間外学習へのアドバイス
1) 講義の前に教科書を熟読し、よくわからない点をまとめておくこと。
2) ノートを読み返して理解を深めること。
3) 教科書を時間をかけて読むこと。
4) 反応機構は目で追うだけでなく手を動かして、自分で何も見ずに書けるようになること。
5) 自分で考え悩むことで、反応の本質が見えてくる。分からないところは講義前後あるいは研究室居室にて質問をすること。
6) 反応式の丸暗記は全く意味がない。本質的理解に努めること。

【成績の評価】
・基準
下記基準を達成すれば合格とする。
1) 各単元で取り扱う有機化合物の特徴(性質)について十分に説明できる。
2) 教科書で取り上げた有機反応の反応機構を有機電子論に基づき説明できる。
3) 有機化合物の分子構造に基づく、酸性度の議論が行える。
4) カルボン酸誘導体間の求核剤との相対的反応性について説明できる。
1)-4)の達成度を中間試験および期末試験の評点を合算して評価する。60点以上を合格とする。5コマ以上の欠席をした場合は単位を取得できない。
・方法
出席点(20点満点)、中間試験(40点満点)、および期末試験(40点満点)の合計得点(計100点満点)を評点とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:J.マクマリー著 マクマリー有機化学(中)および(下)第8版 東京化学同人(各4860円)

【その他】
・学生へのメッセージ
高分子の多くは有機化合物である。高分子の合成だけでなく、その物性を知る上でも、有機化学の知識が大いに役に立つ。
「高分子有機化学基礎」「高分子有機化学Ⅰ」の履修内容(マクマリー有機化学16章以前)は理解されている前提で授業を進める。理解度に応じて授業計画を変更することもあり得る。
・オフィス・アワー
アポを取ってください。
thigashihara@yz.yamagata-u.ac.jp

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