【授業の目的】
有機化学の導入として，有機化学に関わる基本的な考え方を知る。
高分子と密接な関わりがある有機化学を学習するにあたり，その全般に関わる基礎的な事項として，原子構造，化学結合，共鳴，酸と塩基，アルカンおよびシクロアルカン，立体化学についての知識を習得することを目的とする。
【授業の到達目標】
１）構造式を正しく表記できる。
２）s軌道，p軌道，混成軌道，σ結合とπ結合，結合性軌道について説明できる。
３）アルカンおよびシクロアルカンを正しく命名できる。
４）誘起効果および共鳴効果について理解でき，共鳴構造式を正しく書き表せる。
５）酸と塩基についての概念を理解し，その強さについて系統的な議論ができる。
６）RS表示，cis,trans表示などの立体化学を正しく把握できる。
【授業概要（キーワード）】
原子構造，化学結合，共鳴，酸と塩基，アルカン，シクロアルカン，立体化学
【科目の位置付け】
今後の高分子に関する学習の基礎となる科目である。「高分子有機化学I」の履修の前段階に学習しておくべき内容（機能高分子工学科において「高分子有機化学基礎」で学ぶ内容）を講義するので，「高分子有機化学I」を履修する人は必ず履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
原則として，教科書（マクマリー，有機化学(上) 第８版，東京化学同人）に沿って講義を行う。
３学期前に集中的に実施する(講義日程および教室等の詳細は掲示板を確認すること）。
・日程
１．原子の構造，化学結合，混成軌道，分子軌道
２．極性共有結合，共鳴
３．Bronsted-Lowryの酸と塩基，Lewisの酸と塩基
４．官能基とアルカン，アルキル基
５．アルカンの命名法と性質，立体配座
６．シクロアルカンの命名法と異性体，環ひずみ，立体配座
７．立体化学
８．確認テストとまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
分からないことがあったら直ぐに質問すること。不明な点を後に残さないこと。
講義は板書にて行う。復習をしっかり行うこと。出席を前提としているので，３コマ以上欠席した場合は，単位取得はできない。
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書の章末問題を活用して，しっかり復習してください。
【成績の評価】
・基準
本講義は出席を前提としている。5コマ以上欠席した場合および確認テストを欠席した場合のいずれも単位取得はできない。
下記基準を達成すれば合格とする。
１）構造式を正しく表記できる。
２）s軌道，p軌道，混成軌道，σ結合とπ結合，結合性軌道について説明できる。
３）アルカンおよびシクロアルカンを正しく命名でき，また構造を書き表すことができる。
４）誘起効果および共鳴効果について理解でき，共鳴構造式を正しく書き表せる。
５）酸と塩基についての概念を理解し，その強さについて系統的な議論ができる。
６）立体化学を正しく把握できる。
出席および期末テストの成績の合算をもって評価する。
・方法
授業の出席(40%)および期末テスト(60%)により評価する。
【テキスト・参考書】
マクマリー，有機化学(上) 第８版，東京化学同人
【その他】
・学生へのメッセージ
これから高分子を学んでいく上で，基礎となる重要な科目の一つであるので真剣に受講すること。
・オフィス・アワー
アポを取ってください。
thigashihara@yz.yamagata-u.ac.jp
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