高分子合成化学演習
 Exercises in Polymer Synthetic Chemistry
 担当教員:鳴海 敦(NARUMI Atsushi)
 担当教員の所属:大学院有機材料システム研究科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:機能高分子工学科 高分子・有機材料工学科  科目区分:専門科目・選択必修(高分子合成化学) 
【授業の目的】
6学期までに学んだ高分子・有機合成の知識を基として、演習問題を解答し、論理的な思考力、記述力、応用力を養う。重合法およびその理論・化学反応式などに関する重要事項、必須の周辺知識を学習、復習し、高分子合成化学の基本的な概念や原理の体系的な理解を深める。

【授業の到達目標】
1)ラジカル重合の素反応や動力学を記述することができる。
2)リビングラジカル重合の概念を述べ、通常のラジカル重合と対比することができる。
3)ビニルモノマーのラジカル共重合性を構造から予測することができる。
4)ビニルモノマーの重合性(ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性)を構造から予測することができる。
5)モノマー反応性比やQ-e値の概念を述べることができ、それらを実験データから算出することができる。
6)与えられたモノマーあるいはポリマーの構造式から、ポリマーあるいはモノマーの構造を同定できる。
7)種々の重合の化学反応式を完成し、重合法を分類できる。

【授業概要(キーワード)】
高分子合成化学の重要事項(化学反応式や生成論)を問題の解答を通して学ぶ。学生による問題の解答後、重合法およびその理論・化学反応式などに関する必須の周辺知識について述べる。

【科目の位置付け】
高分子合成化学の基礎知識を身につけ、さらなる応用力を養う。

【授業計画】
・授業の方法
配付の問題を解答しながら学習する。
・日程
授業計画:以下に関連する内容を中心とする。
第1回:ラジカル重合
第2回:リビングラジカル重合
第3回:ラジカル重合の動力学 数平均重合度
第4回:アニオン重合 カチオン重合
第5回:ラジカル共重合
第7回:モノマー反応性比の概念および実験データからの算出 (方眼紙使用)
第8回:Q-e値の概念および実験データからの算出(方眼紙使用)
第8回:中間試験とまとめ
第9回:電子供与性基 (EDG) と電子求引性基 (EWG) モノマーの構造と重合特性
第10回:極性モノマーのアニオン重合とグループトランスファー重合
第11回:種々の化学反応(ビスフェノールAの合成 重縮合 重付加 テロメリゼーション)
第12回:種々の化学反応(ブタジエンの重合 ポリシロキサンの合成 アクリルアミドの重合)
第13回:カチオン重合 開環重合 異性化重合 水素移動重合
第14回:重縮合(理論)
第15回:期末試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
全て出席することが望ましい。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストや参考書に目を通す。
関連事項について参考書を読み比べ知識を深める。

【成績の評価】
・基準
総合評価点60点以上を合格とする。
遅刻と欠席を累計5回以上した場合は単位取得できない。
・方法
中間試験と期末試験の平均を総合評価点とし、60点以上を合格とする。出席も考慮する。

【テキスト・参考書】
高分子化学第5版、村橋俊介、小高忠男、蒲池幹治、則末尚志 編、共立出版 ¥3900
高分子合成化学(改訂版)井上祥平 著 裳華房 ¥2800

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