化学英語Ⅰ
 Chemical English I
 担当教員:吉田 司(YOSHIDA Tsukasa)
 担当教員の所属:理工学研究科物質化学工学専攻
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門科目・必修 
【授業の目的】
科学技術に関わる研究開発の最前線では、母国語が何であっても、どの国から来た人も英語でコミュニケーションをしています。読み書きの練習だけではなく、聞くこと、話すことが大切です。まずは80%通じる英語を目指しましょう。この授業で出てくる英語は、一般の人はあまり知らない、でも科学技術では日常的に使われる英語です。これまで英語に苦手意識があった人も、文法とか構文とか慣用句とか覚えることがいっぱいで大変と感じていた人も、これからが本当に必要な英語に触れる時です。研究開発の現場で必要となる実践的な英語力を身に着けることがこの授業の目的です。

【授業の到達目標】
この科目は物質化学工学科の学習・教育目標「((D)創造力およびコミュニケーション能力の育成」に主に対応する。
卒業後に必要となる技術英語の聴き取り能力、表現能力、読解能力及び作文能力を身に付けることを目的としている。
特に専門単語は聴き取りが出来ないので徹底して訓練する。実際の技術者として海外で仕事が出来るのに必用な聴き取り能力ならびに話す能力を確立することをねらいとする。また、自己学習能力を身に付けることももう一つのねらいである。

【授業概要(キーワード)】
技術英語、聴き取り、発音、読解、作文、コミュニケーション

【科目の位置付け】
この科目は物質化学工学科の学習・教育目標「(D)創造力およびコミュニケーション能力の育成」に主に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
教材としてテキスト・プリント並びにCDを利用して授業を行います。授業の進行には独自に作成したパワーポイントを使います。科学論文の読解や記述になれるための基礎的語彙の獲得、科学英語の聞き取りと発音、頻出する化学英語表現の例文を実際に演習しながら習得します。
・日程
第1週 授業の進め方の説明並びに授業の目的を説明する
第2週 発音練習
第3週 数字の読み方
第4-5週 物の形、サイズ、位置を伝える、聞き取る
第6-7週 単位、元素、化学物質、実験器具などの語彙
第8週 中間テストと解説
第9‐12週 科学技術で頻出する英文の練習
第13週 ビデオを使った聞き取りの練習
第14週 英語での研究発表
第15週 授業全般に関する試験と解説

毎回出席を兼ねた小テスト(英単語、作文、ディクテーションなど)を行います。
授業中はランダムに口頭質問します。
授業は基本的には日本語でしますが、質問が英語になる場合があります。

【学習の方法】
・受講のあり方
小テストを授業の最初にやりますから、遅刻しないように!教科書を授業で使用します。CDも添付されていますので、発音練習などしてから授業に臨むと良いでしょう。英語の発音は絶対にカタカナで書かず、聞いて、真似る、を繰り返すことで習得しましょう。ノートは単純なスライドの書き写しではなく、話の中で出てきたことで「あ、そうか!」と思った事をメモするようにした方が良いです。質問や発音練習などはランダムに頻繁に行います。分からない語彙などは辞書をどんどん引くようにして下さい。授業の内容に関する質問や英語学習法のアドバイスが欲しい人は、教員のオフィスにどんどん来てください。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業時間で教科書を全部使うことは出来ませんが、自習に用いると有効です。添付のCDで発音練習もできますから、大声で発音練習しましょう。アクセント、文章のリズムが大切です。化学英語と言っても結局英語の授業です。他のどんな英語学習でも役に立ちます。要領よくやろう、効率よく覚えよう、などと思わず、片っ端から英語を読み、聞きする習慣を身に着けると良いでしょう。テレビやラジオの英会話プログラムもお勧めです。インターネット上にも沢山英語の教材があります。英語の映画を見る、テレビを見る、YouTubeのビデオを見るのも良いです。
英語の学習に関する心がけ、英語をマスターするとどんな良いことがあるのか、効果的な英語の学習法に関するアドバイス、などについては、研究室のウェブページの講義のページに色々と書いてありますから、是非読んでください。
http://yoshidalab.yz.yamagata-u.ac.jp/lecture.html

【成績の評価】
・基準
化学英語を題材として、英語でのコミュニケーション能力がどれだけ身に着いたかを判断します。聞き取り能力、発音、科学技術関連の語彙、文章の読解、英語での表現、作文などを総合的に評価します。
・方法
小テストで30点、中間テストで30点を与える。期末テストで40点の計100点満点とする。総合して60点を越した者は合格とする。授業中の質問に対する受け答え、授業に臨む姿勢なども加点、減点の評価対象になります。

【テキスト・参考書】
教科書
化学英語101 化学同人 3000円
英和辞典や英英辞典(電子辞書も可)も使いましょう。

参考書(自習に向いています)
カガク英語ドリル シーエムシー出版 1600円
科学英語の基礎 化学同人 3200円
General Science 南雲堂 1900円

【その他】
・学生へのメッセージ
「大学に居るうちに実践的な英語力を身に着けておくべきだった・・・」「大学ではもっと実践的な英語を教育して欲しい・・・」とは研究開発の現場で働く諸君の先輩からよく聞く言葉です。では実践的な英語力とは何でしょう?それは英語を媒体としたコミュニケーション力です。結局英語も日本語と同様に言語のひとつですから、コミュニケーションのツールです。要は相手の考えていることをどれだけ受け止められるか、自分の考えていることをどれだけ伝えられるか、です。研究開発の最前線で言語が日本語から英語に変わることで起こる障害をどれだけ乗り越えられるかが課題です。よく「読み・書きは出来るけど、聞き取り、さらには話すことが全然・・・」という人が居ますが、それはあり得ません。会話することが出来ないのはその言語のシステムが脳の中に出来ていないためなので、読み書きも本当はちゃんと出来ていないのです。だからこの授業では諸君が苦手とする聞くこと、話すことに重点を置きます。文字に頼りすぎると、日本語にいちいち置き換えてしまうので即答することが出来なくなり、発音も相手には全く理解出来ないカタカナ発音になってしまいます。英語を聞いたら英語で考えて、英語で返す。これが自然に出来るようになるのが理想ですが、そう簡単じゃないですね?この授業をきっかけとして、自分を英語漬けにして下さい。つい日本語に逃げてしまうことが、自分の中に「英語回路」を作る妨げになってしまいます。あまり堅苦しく考える必要はありません。コミュニケーションなのですから、受け止め、伝えることが出来れば良いのです。それが実践的な英語力です。授業では、これまでに知らなかった技術用語も沢山出てきます。「へえ~、Methaneってメタンじゃなかったの?」と楽しみながら技術英語に慣れていってもらえたらと思います。諸君を「英語やらなきゃ」から「英語やりたい!」に変えることがこの講義の目標です!
・オフィス・アワー
金曜日10:30-12:00

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