機械計測法
 Mechanical Instrumentation
 担当教員:奥山 正明(OKUYAMA Masaaki)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
1. 実験システムと実験値に対して客観的にその有効性を立証するために不可欠な道具である「不確かさ解析」の知識を得ることを目的とする。
2. 計測への理解を深めるために、信号処理と信号増幅について基本的な知識を得ることを目的とする。
3. 最新測定法はその科学的原理の理解が必要である。本授業では、光計測法と材料計測法を例に計測の理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
1 学習・教育到達目標A〔確率・統計関連科目〕データの統計処理を行うことができる。
2 学習・教育到達目標J 目的を達成するための測定法について提案することができ、さらにその測定の特徴や問題点、測定上の注意点について説明ができる。

【授業概要(キーワード)】
単位と標準、不確かさと精度、確率統計の基礎、計測基礎論と基本的な量の計測法

【科目の位置付け】
・機械システム工学科の学習教育目標(A)「工学の基礎力」(0.3)、・機械システム工学科の学習教育目標(J)「実験・シミュレーションの計画・遂行力」(0.7)、を養成する科目である。

【授業計画】
・授業の方法
90分×15回の授業時間で講義と演習をおこなう。演習の解答はレポートとして提出してもらう。
演習の解答例は、次回の授業で説明する。
・日程
第1週 単位
第2週 計測の不確かさ(平均/分散/標準偏差)
第3週 データ整理(相関)
第4週 データの最適化(回帰曲線)
第5週 試験(1)と解説
第6週 出力信号のフィルタリング
第7週 周波数解析
第8週 抵抗測定
第9週 増幅回路
第10週 A/D変換
第11週 試験(2)と解説
第12週 温度測定/流速測定
第13週 応力とひずみ測定
第14週 光計測
第15週 試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
1. 私語や飲食等、他の受講生の迷惑になるような行為はしないこと。
2. 遅刻はしないこと。
3. 課題の提出は授業開始前に提出のこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
1. 前回までの講義内容を理解しておくこと。
2. 講義中で出てきた式の導出については各自で確認しておくこと。
3. 例題等には各自で確認しておくこと。
4. 予習・復習について
第1週 〔予習〕SI単位、工業単位について確認をしておくこと。〔復習〕課題(単位換算)を行いレポートとして提出すること。
第2週 〔予習〕テキスト(P11-13)で平均/分散/標準偏差を確認しておくこと。〔復習〕課題(平均/分散/標準偏差)を行いレポートとして提出すること。
第3週 〔予習〕相関関係/相関係数を調べておくこと。〔復習〕課題(相関関係/相関係数)を行いレポートとして提出すること。
第4週 〔予習〕テキスト(P34-37)で回帰曲線を理解しておくこと。また、式の導出について試みておくこと。〔復習〕課題(回帰曲線)を行いレポートとして提出すること。
第6週 〔予習〕テキスト(P53-59)でフィルタリングについて理解しておくこと。〔復習〕表計算ソフトを用いて課題(データの平滑化)を行いレポートとして提出すること。
第7週 〔予習〕フーリエ級数について確認をしておくこと。〔復習〕表計算ソフトを用いて課題(周波数解析)を行いレポートとして提出すること。
第8週 〔予習〕テキスト(P70-79)で電圧測定/電流測定について理解しておくこと。〔復習〕課題(抵抗測定)を行いレポートとして提出すること。
第9週 〔予習〕テキスト(P79-85)で増幅回路について理解しておくこと。〔復習〕課題(増幅回路)を行いレポートとして提出すること。
第10週 〔予習〕テキスト(P87-89)でA/D変換について理解しておくこと。〔復習〕課題(A/D変換)を行いレポートとして提出すること。
第12週 〔予習〕熱電対温度計について理解しておくこと。ドップラ効果について確認をしておくこと。〔復習〕課題(温度測定/流速測定)を行いレポートとして提出すること。
第13週 〔予習〕テキスト(P129-143)で応力とひずみの計測について理解しておくこと。〔復習〕課題(応力とひずみの計測)を行いレポートとして提出すること。
第14週 〔予習〕光の吸収/射出について確認をしておくこと。〔復習〕課題を行いレポートとして提出すること。

【成績の評価】
・基準
1 統計処理(平均,標準偏差,相関)の計算ができる。
2 周波数解析,増幅回路の計算ができる。
3 近似線,フィルタリング,A/D変換の説明ができる。
4 ひずみ測定,光計測,温度計測について説明ができる。
・方法
レポート(30点)/試験(3回)(それぞれ30点、20点、20点)/合計100点満点。

【テキスト・参考書】
〔テキスト〕
鈴木亮輔 他著 計測工学 朝倉書店、補足としてプリントを配布する場合もある。
〔参考書〕
1. 棚沢・西尾・河村・笠木・吉田(共著)、伝熱研究における温度測定法、養賢堂、1985年.
2. 笠木・木村・西岡・日野・保原(編)、流体実験ハンドブック、朝倉書店、1997年.
3. (社)日本機械学会編、熱流体の新しい計測法、養賢堂、1998年.
4. 平田・岡本(編)、熱流体計測における先端技術、日刊工業新聞社、1996年.
5. 大澤・小保方(共著)、レーザ計測、裳華房、1994年.
6. 藤澤、熱流体の可視化と計測、コロナ社、2003年.
7. 前田・木村・押田、計測工学、コロナ社、2001年.
8. 稲荷、基礎センサ工学、コロナ社、2001年.
9. 西原・山藤、計測システム工学の基礎、森北出版、2005.
10.中村編、計測工学入門(第2版)、森北出版、2007.
11. 馬場・久池井、確率統計キャンパス・ゼミ、マセマ出版社

【その他】
・学生へのメッセージ
暗記するのではなく、理解することに心がけること。
A4レポート用紙と電卓を持ってくること。
・オフィス・アワー
時間帯;金曜日の16:00~17:00、場所;工学部6号館6-215

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