エネルギー変換工学
 Energy Conversion Engineering
 担当教員:鹿野 一郎(KANO Ichiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
今世紀を人類が生き延びるためには環境負荷が低く高効率なエネルギーシステムを構築することが必須である.この授業では,地球環境とエネルギーの現状や,再生可能エネルギーを利用したエネルギー変換技術に関して学ぶ.エネルギーの有効な活用法(省エネ)を考えるために,各種エネルギー変換技術とその変換効率の評価方法を学ぶ.
エネルギーの基礎知識を講義した後,省エネルギー技術や新エネルギーを用いたエネルギー変換技術について学習する.また,地球環境やエネルギー問題に関連して,経済的エネルギーの評価と地球環境に配慮した循環型エネルギーの利用技術とについて考える.

【授業の到達目標】
1.世界のエネルギー状況や地球環境とエネルギーに関する知識を得る.
2. 各種エネルギー変換技術の現状と仕組みを理解する(学習・教育到達目標H).
3.地球的観点から循環型エネルギー利用の考え方に立ち,エネルギー管理への関心を高める(学習・教育到達目標K).

【授業概要(キーワード)】
状態量と状態変化,エネルギー保存則,熱力学の第二法則,エネルギーの形態と変換,ガスサイクル,粘性流体の力学,反応の熱力学,高エンタルピー流,燃焼反応,エネルギーの伝達

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標の(H)「実践的機械工学(熱流体・エネルギー工学分野)の専門知識」(0.7)と(K)「環境・エネルギー問題に関する技術者の倫理観」(0.3)を養成する科目である.括弧内の数値は重みを示す.

【授業計画】
・授業の方法
主にテキストに沿った講義(90分×15回)を行う。さらにテキスト章末問題などの自己学習用の課題レポート(60分程度×10回)によって,講義内容の理解を深め,応用力を高められるようにする.
・日程
第1週…エネルギーの種類とその変換
第2-4週…熱力学の理論
第5-6週…内燃機関
第7週…ガスタービン
第8週…蒸気タービン
第9週…外燃機関
第10週…火力発電と原子力発電
第11週…地熱発電と海洋温度う差発電
第12週…風力発電
第13週…水力発電と波力発電
第14週…太陽光発電、燃料電池及び熱電発電
第15週…期末試験及び解説

【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席し,講義は常に何が大事なのかを考えながら集中して聴き,分からない部分があったら質問する.私語,飲食,講義中の出入り,そのほか,他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は,受講を遠慮していただき,欠席扱いとする.
・授業時間外学習へのアドバイス
次回の講義テーマについて,教科書を読み,何が分かって何が分からないのかを念頭に置いて講義に望むこと.
教科書を読み直し,正確な知識として定着させること.講義と対応する内容の演習ノートを行うとともに,教科書の章末にある関連する問題を解くこと.

【成績の評価】
・基準
期末筆記試験を80点,演習および毎回の出席チェックを兼ねるレポートを20点とする.この講義の合格ラインは60点とする.
「授業概要(目標)」に挙げた項目に対する評価の比率は(1)10%,(2)50%,(3)40%とする.
・方法
期末筆記試験および演習,レポートの結果を総合して成績を決定する.期末試験では,授業概要(到達目標)の各項目の達成度を評価する.課題レポートでは,主にテキスト章末問題から抜粋して課題とする.

【テキスト・参考書】
「テキスト」平田哲夫など著,図解エネルギー工学,森北出版(¥2,940円)
「参考書」
濱川圭弘,ほか2名,エネルギー環境学,オーム社(¥2,625円)
桂井誠,基礎エネルギー工学,数理工学社(¥2,310円)
化学工学会SCE.Net編,図解新エネルギーのすべて, 工業調査会(¥2,857円)

【その他】
・学生へのメッセージ
今や省エネは人間社会の義務である.経済的エネルギーは保存されない.エネルギー変換技術の有効性評価は,これからの技術者にとって必須の知識である.授業には必ず出席すること.また演習およびレポートは必ず提出こと.質問があればいつでも可能である.
講義受講後,教科書の演習問題を必ず自分で解くことによって理解を深めること.
・オフィス・アワー
鹿野 一郎: 毎週水曜日16:00~17:00,9-300-4号室

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