物理化学Ⅲ(バイオ)
 Physical chemistry III (Bio-chemistry)
 担当教員:真壁幸樹(MAKABE Koki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
化学反応の速度を扱う反応速度論を中心に授業を行い、ミクロな分子の振る舞いを記述する量子化学についての導入も行う。
反応速度論からは(1)ある化学反応がどのくらいの速さで平衡に達するかを知ることができ、また、(2)詳細な反応速度の研究から反応機構を理解できる。
生体分子の化学反応である、酵素反応やタンパク質フォールディングについての反応速度について学び、反応機構を理解する。
量子化学ではごく初歩的な導入事項を学習し、量子論の考え方に触れる。

【授業の到達目標】
反応速度の基本的な事項について理解する。
生体における化学反応の速度、酵素反応やタンパク質のフォールディングなどを説明できる。
簡単な系を通して、量子論の考え方に慣れる。

【授業概要(キーワード)】
反応速度、速度式、アレニウスの式、タンパク質のフォールディング、律速段階、酵素、ミカエリスメンテンの式
シュレーディンガー方程式、混成軌道

【科目の位置付け】
物理化学I,IIと合わせて、物理化学分野の基礎となる科目である

【授業計画】
・授業の方法
90分の講義時間で講義をおこなう。
・日程
第1~2回:反応速度とは
第3~4回:反応次数と速度式
第5~6回:アレニウスの式と遷移状態理論
第7~8回:反応機構・タンパク質のフォールディング速度
第9~10回:酵素反応とミカエリスメンテンの式
第10~12回:量子化学の基礎
第13~15回:復習と試験

【学習の方法】
・受講のあり方
講義は積み上げていく形式なので、一度欠席すると、以降の講義内容を理解することが困難となる。欠席しないように。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業前に講義内容を確認しておくこと。
例題、演習問題などを自分の力で解けるようにしておくこと。

【成績の評価】
・基準
60点以上を合格とする。出席が2/3以下の者は期末試験の受験資格を失う。講義のねらいが理解できており、講義中に出題された例題などを一人で解答できるか否かが合格の判断基準となる。
・方法
試験及び小テスト、出席等で評価する。

【テキスト・参考書】
「アトキンス物理化学要論」P. Atkins, J. de Paila著 千原秀明、稲葉章訳 東京化学同人
「反応速度論―化学を新しく理解するためのエッセンス」斎藤 勝裕 三共出版

【その他】
・学生へのメッセージ
分からないところは持ち越さないこと。
講義中の私語、飲食は禁止。
・オフィス・アワー
質問は、授業終了後にすぐすること。

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