天然物化学
 Natural Product Chemistry
 担当教員:今野 博行(KONNO Hiroyuki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
天然有機化合物についての歴史、生合成による分類、単離、構造決定、全合成にさらには機能解析、創薬との結びつきについて理解する
バイオ系学生として生命科学研究に必要な生物有機化学の知識を学ぶ授業である。基礎的な項目を十分理解し、今後の研究、仕事に密接に関わる内容を理解していく。天然物の持つ魅力を十分に味わってほしい。

【授業の到達目標】
1)天然有機化合物について分類でき、生合成についてある程度の予測が立てられる。2)標的とする簡単な有機化合物の合成ルートを考案できる。3)様々な立体制御法について説明ができる。4)基礎的な生化学の用語、代謝について説明でき、天然物との関わりが説明できる。

【授業概要(キーワード)】
2次代謝産物,ポリケチド,イソプレノイド,アルカロイド,フェニルプロパノイド,ホルモン, ビタミン, 生物毒, 抗生物質, 抗ガン剤, 立体化学,全合成,ケミカルバイオロジー

【科目の位置付け】
この講義は、バイオ化学工学科の生物有機化学分野の専門・選択必修科目です。

【授業計画】
・授業の方法
下記の日程に従って授業を行う。最終週に期末試験を行う。授業中は私語、飲食等で他の学生の迷惑となる行為を行った場合は受講を遠慮してもらう。
・日程
第1週 天然物化学とは
第2週 1次代謝産物と2次代謝産物
第3-4週 天然物の生合成I:酢酸マロン酸経路、メバロン酸経路
第5-6週 天然物の生合成II:シキミ酸経路、アミノ酸酸経路
第7週 天然物の化学合成:全合成と逆合成解析
第8週 天然物の化学合成:固相合成
第9-10週 ホルモンとフェロモン
第11週 ビタミン
第12週 生物毒
第13週 抗生物質
第14週 抗ガン剤
15週 期末試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
プリントや板書による解説を講義中で行うので、理解に努めるが、わからない点や、さらに解説が欲しい場合は授業の後やオフィスアワーを利用して質問をすること。授業中は私語、飲食等で他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮してもらう。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめ予習を必要としない
講義後、プリントを読み返しながら理解できなかった部分について参考書などで調べておく

【成績の評価】
・基準
天然有機化合物について分類でき、生合成や生理活性の予測が立てられることを合格の基準とします。
標的とする簡単な有機化合物の合成ルートを考案できることを合格の基準とします。
生体内での代謝が理解でき、天然物の活用について説明できることを合格の基準とします。
・方法
レポート(30点)と定期テスト(50点)を含んだ平常点(20点)で評価します。合計で60点以上が合格です。レポートの課題は講義の中から出題します。ただし、出席が3分の2に満たない学生は評価の対象外とします。

【テキスト・参考書】
特に指定しない。必要に応じてプリントを配布する
有機合成の戦略、化学同人(2000円)、天然物化学への招待、三共出版(2800円)、入門ケミカルバイオロジー、オーム社(1890円)

【その他】
・学生へのメッセージ
医薬、農薬、香料、食品などの有効成分には天然物が深く関わっているものが多数存在します。興味がある方には聴講をお勧めします。
有機化学系、生化学系科目を履修しておくことが望ましい。
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:00-17:00、3号館3階3206号室

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