食品工学
 Food Engineering
 担当教員:木俣 光正(KIMATA Mitsumasa)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:選択必修 
【授業の目的】
腐敗しやすい原料から一定品質で大量の安全な食品を製造することは,実は非常に難しく容易ではありません。このような問題を工学的アプローチで解決しようとするのが食品工学であり、その基本的な内容について学習することで、食品工学の基礎能力を身につけることが目的です。

【授業の到達目標】
食品工学は化学工学を基礎とした考え方に基づいて体系化されます。食品の反応速度論や伝熱などの移動現象論、食品中の水の状態や界面化学について基礎から応用まで幅広い知識を身につけることが出来ます。加えて講義を受講することにより、食品の製造・加工や貯蔵・保存の際に生じる問題についてどのように解決すべきかについて学びます。

【授業概要(キーワード)】
反応速度、水分活性、移動現象、ガラス転移、殺菌、界面科学

【科目の位置付け】
食品製造における基本知識を身に付けます。

【授業計画】
・授業の方法
毎回配布するプリントに沿って講義を行い、講義時間内に演習問題を課して理解を定着させる。
・日程
第1回:食品工業と食品工学の接点
第2回:工学的問題取り扱いのための微分積分学の初歩(関数)
第3回:工学的問題取り扱いのための微分積分学の初歩(微分方程式)
第4回:反応速度論(一次反応)
第5回:反応速度論(応用)
第6回:水の収着・脱着と食品中の水の状態(水蒸気分圧)
第7回:水の収着・脱着と食品中の水の状態(状態図)
第8回:中間試験とまとめ
第9回:食品とガラス転移(物理化学)
第10回:食品とガラス転移(食品製造・保存)
第11回:移動現象論(熱移動・物質移動)
第12回:移動現象論(加熱・冷却)
第13回:界面科学の初歩と食品工学(表面張力,濡れ)
第14回:界面科学の初歩と食品工学(応用)
第15回:期末試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義内容が多岐にわたるので全ての講義に出席することが望ましい。
配布するプリントに目を通し,講義メモを取りながら内容の理解に努めること。
演習問題はできるだけ自分で解き,どうしてもわからない場合は相談してもよい。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業で配布したプリント、授業中のメモと教科書を見ながらノートにまとめると良い。習った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べれば、さらに理解が深まる。数式は自然現象を表すツールである。すべてわからなくても、概念だけは理解すること。

【成績の評価】
・基準
毎回行う演習,中間試験,期末試験の成績により評価する。目標を達成するため、講義への出席率2/3を最低条件とし,演習,中間試験,期末試験いずれも原則6割以上の点数で合格とする。
・方法
毎週、講義内容に関する演習を講義時間内に行う。中間試験は第1週から第7週までの範囲、期末試験は第9週から第14週までの範囲で試験を行う。

【テキスト・参考書】
テキスト:熊谷仁、熊谷日登美、高田昌子 共著「食品工学入門」アイ・ケイコーポレーション
参考書:矢野俊正著「食品工学・生物化学工学 : 科学的・工学的ものの見方と考え方」丸善
丹治保典 [ほか] 著「生物化学工学, 第3版」講談社
日本食品工学会 編「食品工学」朝倉書店

【その他】
・学生へのメッセージ
化学工学は数式が多く敬遠されがちな学問であるため、数式を解くことはほとんどせず、食品の現象を理解するために数式を利用します。工学的な視点や感覚で食品を見ることができるようになって下さい。
・オフィス・アワー
水曜日:16:00~17:00、3号館1209号室、kimata@yz.yamagata-u.ac.jp

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