機械システム設計及び演習
 Mechanical System Design and Exercise
 担当教員:峯田 貴(MINETA Takashi)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:4年  開講学期:前期  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
製品としての機械を設計する工程を体験的に学び,CADや計算機シミュレータを用いた3次元機構の設計能力を磨く.
機械システム設計の実例を取り上げ,これまで習得した機械工学の知識をもとに,運動機構の解析と設計について学ぶ.つぎにCADによる3Dモデリングおよび強度等の計算機シミュレーションなどのコンピューター技術を援用して機械および運動機構を設計開発できる能力を,講義と演習を通して身につける.

【授業の到達目標】
(1) ばね、送りねじ機構、歯車減速機構などの部品からなる機械システムを,動作原理に基づいて伝達動力、構造、および強度の考察ができるようになること。
(2) 伝達動力、構造、および強度の構造の考察に基づいて、機械システムを不整合なく全体設計できるようになること。
(3) 可動部も含めた各部品間の相互の干渉を考慮した設計ができるようになること。
(4) 3D CADの利用による組立図の作成および構造解析など,コンピューターを活用して,モデリングおよび製図できるようになること.

【授業概要(キーワード)】
CAD,構造解析,送りねじ機構,ばね機構,歯車減速機,強度計算

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標のうち,「(D)創造力,自主的行動力およびコミュニケーション能力」(0.3),「(I)開発・設計・生産技術およびデザイン能力」(0.4),「(J)実験・シミュレーションの計画・遂行力」(0.3)を養成するための科目である.

【授業計画】
・授業の方法
90分×15回の講義および設計演習に取り組みながら授業を進める。講義形式の説明の後,情報処理センターの端末室でコンピューターを利用しながら演習を進める.
・日程
第1週 全体説明および3次元CADの基礎的な使用方法の演習
(部品のモデリング、図面展開、複数部品のモデリングと組立)
(復習) 3D-CADによる機械設計の具体的な意義について習熟しておく。
第2週 3次元CADの部品モデリングの演習
(予習) 3D-CADの操作法に習熟しておく。
(復習) 3D-CADによる部品作図の例題
第3週 3次元CADの部品アセンブリの演習
(予習) 3D-CADの部品作図およびデータ取扱いに習熟しておく。
(復習) 3D-CADによる複数部品合致のアセンブリの例題
第4週 第1課題(ばね構造体等)の設計演習(押し出しによる螺旋構造のモデリング等)
(予習) 3D-CADのフィーチャー機能の操作に習熟しておく。
(復習) 3D-CADによる螺旋構造モデリングの例題
第4週 第1課題(ばね構造体)のコンピュータによる構造解析(1)
(予習) 有限要素法による計算力学的手法の概念に習熟しておく
(復習) コンピュータによる静解析の例題
第5週 第1課題(ばね構造体等)の解析的手法による演習
(予習) 材料力学モデルによる剛性計算に習熟しておく
(復習) 第1課題(ばね構造等)の材料力学モデルによる剛性計算の例題
第6週 解析的手法およびコンピュータによる構造解析手法による
総合演習および総括
(予習) 材料力学モデルによる解析の制限を習熟しておく
(復習) 計算機シミュレーションによる

第7週 第2課題(送りねじ等の可動機械要素を持つ機械システム)の概要説明および基本設計
(予習) 可動機械要素の設計に習熟しておく
(復習) 可動機械要素の強度設計の例題
第8週 第2課題(可動機械要素を持つ機械システム)の基本設計演習
(予習) 機械要素の力学に習熟しておく
(復習) 機械要素の力学の例題
第9週 第2課題(可動機械要素を持つ機械システム)の部品設計演習
(予習) 送りねじ等の可動機械要素の力学に習熟しておく
(復習) 可動機械要素の力学の例題
第10週 第2課題(可動機械要素を持つ機械システム)の組立設計演習(1)
(予習) 3Dモデリング操作に習熟しておく
(復習) 3D-CADモデルの組立例題
第11週 第2課題(可動機械要素を持つ機械システム)の組立設計演習(2)
(予習) 3D-CADモデル合致アセンブリに習熟しておく
(復習) 3D-CADモデルの組立例題
第12週 第2課題の3D CADによる3面図の作成
(予習) 3D-CADによる2次元図面の作成法に習熟しておく
(復習) 3D-CADモデルの3面図の作図例題
第13週 送りねじ、歯車機構等を持つ機械システム組立設計
(予習) 歯車減速機構の力学に習熟しておく
(復習) 歯車の3Dモデリングの例題
第14週 3D CADによるモデルのモーション解析演習
(予習) 歯車減速機構の設計法に習熟しておく
(復習) 各部品間の相互の干渉、減速比の検証
第15週 モデル検定、検図および総括
(復習) 設計した3Dモデル、三面図を総括し、改善点を把握する

【学習の方法】
・受講のあり方
・受講のあり方
CADやシミュレータ等の設計支援ツールを効果的に活用するには、材料力学、設計工学、機械システム設計等を深く理解して応用できることが重要であり、これまで学んだ各科目を良く復習しながら取り組むこと。また、機構全体を総合的に考察し、試行錯誤しながら設計を進めるプロセスを習得することが大切である。
・予習のあり方
CADとシミュレータを効果的に活用できるように,自分で使用法を予習しておくことが望ましい.演習・課題設計で必要となる、材料力学、設計工学、機械システム設計等の基礎知識は、授業前に良く予習(復習)しておくこと。
・復習のあり方
内容が豊富なので,設計は素早く自分で進めるように心がけること。時間中に理解が進まなかったり作業が遅れたりした点については、自分で復習して必ずカバーしておくこと。また,複雑な設計になるので,受講生同士および担当教員と対話しながら自分の設計の理解を深めること。
・授業時間外学習へのアドバイス
CADとシミュレータを効果的に活用できるように,自分で使用法を予習しておくことが望ましい.演習・課題設計で必要となる、材料力学、設計工学、機械システム設計等の基礎知識は、授業前に良く予習(復習)しておくこと。
内容が豊富なので,設計は素早く自分で進めるように心がけること。時間中に理解が進まなかったり作業が遅れたりした点については、自分で復習して必ずカバーしておくこと。また,複雑な設計になるので,受講生同士および担当教員と対話しながら自分の設計の理解を深めること。

【成績の評価】
・基準
複数回の演習レポートと,3次元CAD図面によって評価する.
・方法
演習レポート、および3次元の設計結果(3D CADモデリング、図面)の結果を総合し成績を決定する.
(1) 3次元CADの部品および組立モデリングの演習レポート(20点)
(2) 3次元モデルの構造解析および解析的考察に関する演習レポート(20点)
(3) 送りねじの仕様設計(20点)
(4) 送りねじ、歯車機構の3次元図面(40点)
以上の合計を得点とし,60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
必要に応じて印刷した資料を配布する.
機械要素、設計の教科書,JISハンドブックなど.

【その他】
・学生へのメッセージ
設計項目が多くあり,計算機ツールの習熟も必要となり、安易な科目ではないが,計算機援用による設計の基礎の習得とともに、自分の頭で考える設計のセンスも磨くべく、こつこつ取り組んで欲しい。
CAD・シミュレータ利用のため,身近にコンピューターを使える環境を整えることが望ましい.
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:00-17:00

50202650-2017-05-54320