【授業の目的】
情報セキュリティの基盤となる暗号技術の仕組みについて理解するとともに,計算量理論と現代暗号の安全性の関わりについて理解することを目的とする.また,公開鍵暗号やディジタル署名の代表的な方式について学習する.
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は 1) いくつかの代表的な共通鍵暗号方式,公開鍵暗号方式の手順を説明できる. 2) 暗号方式の安全性と計算量理論の関わりについて説明できる. 3) 講義で解説されたディジタル署名などの情報セキュリティ技術の仕組みを説明できる.
【授業概要(キーワード)】
情報セキュリティ,公開鍵暗号,共通鍵暗号,ディジタル署名,認証
【科目の位置付け】
この科目は情報数学、情報理論、計算理論、情報通信と関連が深い. 対応する学習・教育目標については、学生便覧を参照すること.
【授業計画】
・授業の方法
各週の学習内容について,具体的な例を用いて講義する.
・日程
第1週 イントロダクション 第2週 整数、素数、法演算 第3週 初等整数論の諸定理 第4週 RSA暗号 第5週 RSA暗号の安全性 第6週 Rabin暗号 第7週 中間試験と前期まとめ 第8週 離散対数問題とElGamal暗号 第9週 楕円曲線 第10週 楕円曲線と演算 第11週 楕円曲線暗号 第12週 共通鍵暗号 第13週 ディジタル署名 第14週 秘密共有法 第15週 期末試験とまとめ (理解度などに応じて講義内容を変更することもある.
【学習の方法】
・受講のあり方
ほぼ毎週レポートを課す.問題を自分で解くことにより,暗号の仕組みについて理解を深めること.
・授業時間外学習へのアドバイス
公開される講義資料をもとに復習すること.
【成績の評価】
・基準
講義で解説される暗号方式とセキュリティ技術の基礎的な事項について説明できることを合格の基準とする.
・方法
レポート(30点),中間試験(35点),期末試験(35点)を合計し,100点満点で判定する.60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
テキスト:特に指定しない 参考書: ・黒澤 馨 著,現代暗号への招待,サイエンス社,1,850円 ・ジョセフ・H・シルヴァーマン 著,鈴木治郎 訳,はじめての数論,ピアソン・エデュケーション,3,200円
【その他】
・学生へのメッセージ
情報数学入門,情報数学I,情報数学II,確率統計学,情報理論,計算理論を履修していることが望ましい.
・オフィス・アワー
金曜日 16:00~17:00 (8-225)
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