機械工学基礎Ⅰ
 Introduction to Mechanical Engineering I
 担当教員:大町 竜哉(OHMACHI Tatsuya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修 
【授業の目的】
機械工学とは,力学を物質の三態に合わせて適用し,工業技術に応用する学問です。このため,機械工学全般に通用する基礎力学が必要になります。これが機械工学基礎I,IIです。機械工学基礎Iでは,力学の基礎および工業技術に応用するための手法としての微分・積分学の基礎と応用方法を学びます。

【授業の到達目標】
(1)学習・教育到達目標A 高校までの数学知識と,物理現象や法則との関わりを,例を挙げて説明できること。[DP1]
(2)学習・教育到達目標A 高校までに学習した関数の微分積分を自由に計算できること。[DP1]
(3)学習・教育到達目標A 基礎的な微分方程式を導出し,それを解けること。[DP1]
(4)学習・教育到達目標F 示された課題を理解し,自主的にそれを解いて期限内に提出することができること。[DP9]

【授業概要(キーワード)】
運動の法則,線形代数,微積分学,微分方程式,力学の基礎

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標のうち,(A):工学の基礎力と(F):自主的・継続的学習能力を養成するための科目です。

【授業計画】
・授業の方法
講義と演習を交互に行う1回90分の授業を15週にわたり行います。15週には,二回の試験と予備週を含みます。
・日程
第1,2週…三角比,ベクトルと行列
(予習)テキスト(P2-7)を読んでおくこと。
(復習)P6-7の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第3,4週…力のはたらき,力のつり合い(予習)テキスト(P8-13)を読んでおくこと。
(復習)P12-13の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第5,6週…運動の表し方,等速度運動,等加速度運動,平面運動
(予習)テキスト(P14-16)を読んでおくこと。
(復習)P17の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第7週…中間テスト
第8,9週…運動の表し方,速度・加速度と微積分,微積分を使った運動の説明
(予習)テキスト(P18-21)を読んでおくこと。また,高校の微積分の基礎を復習しておくこと。
(復習)P21の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第10,11週…運動の法則,運動の3法則,運動方程式
(予習)テキスト(P22-27)を読んでおくこと。また,高校物理の力学の基礎を復習しておくこと。
(復習)P26-27の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第12,13週…力と運動の問題演習
(予習)これまでのテキストの内容を改めておさらいしておくこと。
(復習)P28-33の問題を確実に解けるようにしておくこと。
第14週…期末テスト
第15週…総まとめ(予備週)

【学習の方法】
・受講のあり方
(1)可能な限り,授業中に質問をすること(他の学生のためにもなる)。
(2)わからないところをそのままにしない。必ず,質問をすること。
(3)教員が黒板にミスをしたら,即座に指摘すること。「なんだかおかしいなー」と思い続けないこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめ授業計画で指定されたテキストの箇所,事項などに目を通して授業にのぞむこと。復習として,毎回出題される課題をきちんと自分で解いてみること。さらに参考書で類似の問題を解いてみること。

【成績の評価】
・基準
(1)高校までの数学知識の現象論的意味合いを理解し,説明できる。
(2)微分積分を自由に計算でき,力学との関係を把握し,説明できる。
(3)物理的事象と数学の関数との関係を理解し,説明できる。
(4)基礎的微分方程式の導出および解法ができる。
・方法
複数回のレポート課題を40点分,二回の試験を60点分とし,総合して100点満点のうち60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
テキスト: 高橋 正雄,基礎と演習理工系の力学,共立出版,2000円(2006)
なお,この教科書は機械工学基礎Ⅱでも使います。
参考書:
1)宇佐美他,理工系のための力学の基礎,講談社,2400円(2005)
2)渡辺・上田,初歩の微分方程式と力学,養賢堂,2800円(2009)
3)”Calculus”, 5th Ed., James Stewart著(Brooks/Cole)(約6500円), (2003)

【その他】
・学生へのメッセージ
高校の数学知識を前提として講義を行なうので,安心して受講してください。また,私たちの生活や身の回りの出来事を表現する"道具"として力学を理解してください。工学は実践して初めて有効になります。そのための基礎である力学と数学は,計算を行い,グラフ・図形を描いて体感しながら学習することが重要です。授業中に生じた疑問やわからない点はそのままにしないでどんどん質問すること。
・オフィス・アワー
(1)授業終了後(時間が限られています)に受け付けます。
(2)E-mail: ohmachi@yz.yamagata-u.ac.jpにていつでも受付ます。

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