【授業の目的】
機械工学とは,力学を物質の三態に合わせて適用し,工業技術に応用する学問である。このため,機械工学全般に通用する基礎力学が必要となる。これを学ぶのが機械工学基礎I,IIである。機械工学基礎IIでは,機械工学の専門科目を学習する上で必要な力学に関する基礎力を修得することを目的とする。具体的には,運動量保存の法則,単振動,等速円運動,角運動量,慣性力,そして剛体の力学の基礎について学ぶ.
【授業の到達目標】
(1)学習・教育到達目標A,F 三角関数と物理的事象との関係を理解できること [DP1,9] (2)学習・教育到達目標A,F 運動量保存則を理解し,関連する物理現象を数式でモデル化できること [DP1,9] (3)学習・教育到達目標A,F 単振動,等速円運動の解法及びその性質を理解し,数学的表現ができること [DP1,9] (4)学習・教育到達目標A,F 角運動量や慣性力の概念を理解し,関連する物理現象を数式でモデル化できること [DP1,9] (5)学習・教育到達目標A,F 剛体に関する力のモーメントの性質を理解し,数学的表現ができること [DP1,9] (6)学習・教育到達目標A,F 剛体の重心の概念を理解し,関連する物理現象を数学的に表現できること [DP1,9]
【授業概要(キーワード)】
運動の法則,自由振動,質点の力学,剛体の重心とつりあい
【科目の位置付け】
専門科目を学ぶために全ての機械系学生に必要な科目である.
【授業計画】
・授業の方法
この授業科目は,午前中の講義,および午後の演習を基本として実施する. 講義を90分×8回,演習を90分×7回の合計90分×15回実施する.
・日程
第1週:運動量保存の法則(1)(2) (予習)教科書第10章と11章 (復習)関連する演習課題 キーワード:運動量,力積,運動量保存則,衝突,平面内での衝突,衝突とエネルギー 第2週:運動量に関する問題演習,三角関数 (予習)教科書第12章と13章 (復習)関連する演習課題 第3週:単振動・単振り子と問題演習 (予習)教科書第14章 (復習)関連する演習課題 キーワード:水平ばね振り子,周期 第4週:等速円運動と問題演習 (予習)教科書第15章 (復習)関連する演習課題 キーワード:角速度,向心力,向心加速度 第5週:万有引力・角運動量,慣性力(みかけの力) (予習)教科書第16章と17章 (復習)関連する演習課題 キーワード:万有引力の法則,角運動量保存則,慣性力,遠心力,コリオリの力 第6週:慣性力(みかけの力)と単振動と円運動に関する問題演習 (予習)教科書第17章と18章 (復習)関連する演習課題 第7週:剛体にはたらく力 (予習)教科書第19章と20章 (復習)関連する演習課題 キーワード:力のモーメント,剛体の重心とつり合い 第8週:筆記試験および解説
【学習の方法】
・受講のあり方
機械システム工学科の教育プログラムにおいて,重要科目として位置づけている科目である.各自一つ一つの項目について,納得のいくまで理解に努めること.
・授業時間外学習へのアドバイス
指定されているテキストを用いて,授業前に1時間程度予習すること. 授業後には,その日の演習問題に関して1時間程度かけて復習すること. 疑問点があれば問題点を整理し,積極的に質問すること.
【成績の評価】
・基準
仕事の概念とその表現方法,仕事とエネルギーの関係,エネルギー保存の法則,運動量保存の法則,単振動,等速円運動の解法及びその性質,剛体の重心とつりあいを理解し,関連する物理現象を数式でモデル化できることを基準とする.
・方法
筆記試験(80点)および演習,レポート(20点)の結果を総合して成績評価を行う.この講義の合格ラインは60点とする.
【テキスト・参考書】
テキスト:高橋正雄,-基礎と演習-理工系の力学,共立出版 参考書:森口繁一,「初等力学」,培風館 F.P.ベアー,A.R.ジョンストン,「工学のための力学 上, 下」,ブレイン図書 小野周,「岩波講座基礎工学 力学 I,II」,岩波書店
【その他】
・学生へのメッセージ
「問題解決の技術習得」の勉強法からいち早く脱出して,「自ら考え,自ら学ぶ」学究の世界に達成感と喜びを求めて頂きたい. 本授業科目の内容は,関連科目である他の「機械工学基礎」と併せて,専門科目を履修するために必須の工学的基礎知識を効果的に習得できるように構成されている.機械技術者となるための礎を築く重要科目である.
・オフィス・アワー
火曜日10:30~12:00
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