【授業の目的】
今年は、1946年日本国憲法の施行70年。わたしたちの生を保障し、一人ひとりの個人を大事にする憲法。本講義は、市民にせよ、教員や公務員にせよ、日本に生きる者として知っておかなければならない日本国憲法の必要最小限の知識を習得することを目的とします。限られた時間で憲法学の体系的・網羅的な学習をすることは不可能ですが、法の支配・立憲主義をめぐる憲法学の基礎と現代の重要な憲法上の論点を重点的に解説します。
【授業の到達目標】
(1)立憲主義をめぐる憲法学の基礎を理解し自分で説明できる。 (2)現代の憲法上の論点を理解し自分で説明できる。
【授業概要(キーワード)】
憲法・立憲主義・人権・平等・平和主義・平和的生存権
【科目の位置付け】
工学部ディプロマ・ポリシー2・3・4・5・6、カリキュラム・ポリシー4・5・6に対応
【授業計画】
・授業の方法
レジュメ・資料を配布して講義します。視聴覚教材も使用する予定です。
・日程
第1回 法と法学の入門 第2回 憲法と立憲主義① 第3回 憲法と立憲主義② 第4回 国民主権と平和主義・平和的生存権① 第5回 国民主権と平和主義・平和的生存権② 第6回 個人の尊重(13条)と法の下の平等(14条)① 第7回 個人の尊重(13条)と法の下の平等(14条)② 第8回 精神的自由権:思想・良心の自由(19条)・表現の自由(21条)を中心に 第9回 経済的自由権:職業選択の自由(22条)・財産権(29条)を中心に 第10回 社会権:生存権(25条)・教育を受ける権利(26条)を中心に 第11回 権力分立と対抗役割としての対話の原理 第12回 選挙権(15条)と立法権としての国会 第13回 議院内閣制と行政権としての内閣 第14回 司法権としての裁判所(違憲審査権・裁判員制度・死刑などを含む) 第15回 まとめ(試験を含む) *上記は予定であり、変更する場合があります。
【学習の方法】
・受講のあり方
講義は口頭での情報提供が多いので、各自で要点をノートに取るようにしてください。 *下記参考書欄の木村草太『キヨミズ准教授の法学入門』を事前に読んでおくと、授業や法学の話がとてもラクになります。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストと配布資料の該当箇所の予習・復習を行ってください。 可能な限り、下記参考書欄や授業で推薦する参考文献を読むことを勧めます。
【成績の評価】
・基準
(1)立憲主義をめぐる憲法学の基礎を理解し自分で説明できる。 (2)現代の憲法上の論点を理解し自分で説明できる。
・方法
講義の出席および試験等を総合的に評価します。
【テキスト・参考書】
【テキスト】西原博史ほか編著『教職課程のための憲法入門』(弘文堂2016年*授業必携。憲法条文付) 【参考書】内山奈月・南野森[対談]『憲法主義』(PHP文庫2015年*入門書)、金井光生『フクシマで日本国憲法<前文>を読む』(公人の友社2014年*市民向けブックレット)、木村草太『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書2012年*便利)、播磨信義ほか『新・どうなっている!? 日本国憲法(第3版)』(法律文化社2016年*資料集として便利)
【その他】
・学生へのメッセージ
本講義はあくまで憲法の限られた論点の基本しか扱ませんのでご了承ください。 本格的に学習したい人は、芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第6版)』(岩波書店2015年)から勉強しましょう。
・オフィス・アワー
授業後
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