我が国の教育を取り巻く諸情勢の変化について概観した後、社会的・職業的自立等に必要な力、求められる資質・能力についての最新の動向について学ぶ。さらに、キャリア教育に関する実践について学び、キャリア教育に果たす教師の役割について考察する。

高等学校におけるキャリア教育（特に工業科生徒）において育成する社会的・職業的自立等に必要な力、資質・能力について正しく説明できる。世界の動向、企業活動から見た資質・能力に関しての基礎的知識を理解し、職業指導計画の立案ができる。キャリアガイダンス等の素養を身につけ、教師としての主体的な力量形成の基礎づくりができる。

1)キャリア教育、2)社会的・職業的自立、3)基礎的・汎用的能力、4)資質・能力、
5)教職専門性、6)企業活動、7)教師の役割

本科目は、高校の『工業』教員免許状取得申請のための「必修」である。

夏季休業中に集中講義で行う。講義の内容、教育改革に関する最新の資料とデータ、教育実践資料等をプリントとして配付する。 本講義内容の理解を深めるため必要に応じて討論を行う。

第1回　1.講義ガイダンス
　 　1)用語の扱いと講義で使用する教材、2)講義の構成と概要

第2回　 3)「職業指導Ⅰ」のポイントの復習

第3回　2.我が国の教育を取り巻く諸情勢の変化
　　　　1)現状と課題、2)目指すべき方向性

第4回　3.社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力
　　　　1)キャリア教育答申で示された力の要素
　　　　2)基礎的・汎用的能力についての提言
　　 　 3)高校教育で共通に身に付けさせる資質・能力(「コア」)

第5回　4.資質・能力についての世界の動向
　　　　1)育成すべき資質・能力の概念の整理

第6回　 2)資質・能力育成のための二つの教育課程編成モデル、
3)OECD DeSeCoプロジェクト、4)21世紀型スキルプロジェクト、

第7回　 5)21世紀型能力の提案、6)専門的職業人として育成すべき資質・能力

第8回　5.資質・能力の多様な評価
　　　　1)高等学校における学習評価、

第9回 2)高校教育の質保証に向けた評価、3)ルーブリックを活用した評価、

第10回　4)工業高校における取組事例

第11回 6.教職専門性と教師に求められる資質・能力
　　　　1)教職専門性とは、2)教師に求められる資質・能力

第12回 7.企業活動と求められる資質・能力
　　　　1)大学新卒者に求められる「能力」の構造と変容
　　　　2)企業が採用時の要件として大卒者に求める能力とその評価方法

第13回
　　　 8.事例に学ぶキャリア教育
　　　　1)キャリア教育の学校体制と実施にあたっての配慮事項
　　　　2)高等学校教科等における教育実践に学ぶ

第14回　3)高等学校キャリア教育実践校に学ぶ

第15回 9.キャリア教育に果たす教師の役割

講義中に紹介・推薦する文献を探して読んでおくこと。本時に取り上げた問題やテーマについて、自分なりの解答や考えを整理しておくこと。

・予習のあり方 本講義中に紹介・推薦する文献を探して読んでおくこと。
・復習のあり方 本時に取り上げた問題やテーマについて、自分なりの解答や考えを整理しておくこと。

ペーパーテストは実施しないが、提出レポートの内容と出席状況ならびに授業参加態度等について総合評価を行う。授業回数（１５回）の１／３を超えて欠席すれば、単位不可となる。

レポートの作成の仕方については、懇切丁寧に複数回くり返して行うので、レポートの必要条件を踏まえて、提出期日までに必ず提出すること。

テキストは講義時に配布するプリントとする。
参考書は１．今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について（答申）、中央教育審議会、2011年、2．高等学校学習指導要領、同解説（総則、工業、特別活動）、文部科学省、2010年、3．資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理〔改訂版〕、国立教育政策研究所、2013年

本科目は、高校の『工業』教員免許状取得申請のための「必修」である。
工業教員としてキャリア教育に関わる素養を身に付け、教育現場における実践活動に役立てるために、本講義を活用してもらいたい。