農村地域の地理と環境
 Geography and Environment of Rural Area
 担当教員:渡辺 理絵(WATANABE Rie)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科食農環境マネジメント学コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:食農環境マネジメント学コース  科目区分:必修科目 
【授業の目的】
本授業は都市農村交流の取り組みについて考える。日本の農村では一部で、都市住民を巻き込んだ取り組みがみられる。たとえば棚田オーナー制では、高齢化する農業従事者に代わって不足する労働力を補完する手段として、あるいは耕作放棄地解消にむけた新たな耕作者として、都市住民を招いている。一方、農家の多角的経営戦略としてのグリーンツーリズムでは、そのターゲットは都市住民である。このように農村と都市の連携や交流は、より一層不可欠で活発になってくることが予想される。このような背景において、本授業では都市農村交流の取り組みには、どのような事例があるのか、また、数ある取り組みの中でどの地域に、どの取り組みが選択的に採用されたのか、などの点について学習する。こうした過程を通して、最終的には今後の農村の展望を見据える力を養う。

【授業の到達目標】
○地域の様々な問題とその成因について考察することができる。
○地域にあった問題解決の方策について、展望をもちながら提案することができる。
○都市農村交流の概要を理解し、持続可能な存続のあり方について理解することができる。

【授業概要(キーワード)】
農業、農村、都市農村交流、山形県、朝日町、飯豊町、グリーンツーリズム、GIS

【科目の位置付け】
本授業は農村の実態についてフィールドを通じて理解し、持続可能な農業経営の発展や地域活性化方策について多目的に考察する能力を身につけるものである(食農環境マネジメント学コースカリキュラムポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
授業形式と討議形式で行います
・日程
1:農村をとりまく状況
 1)ディスカッション:農村に山積する課題とは
 2)農業の地域差の要因分析
 3)行動論的、環境論的アプローチ
2:都市農村交流に関する取り組み―事例その1―
 1)山形県朝日町における棚田保全活動
 2)2地域の都市住民(山形市と首都圏)が農村を志向する背景
 3)朝日町の事例から学ぶ選択的な都市農村交流事業
3:都市農村交流に関する取り組み―事例その2―
 1)山形県飯豊町におけるグリーンツーリズムの取り組み
  2)民泊に関する規制と規制緩和の対応
4:ディスカッション
 1)都市農村交流に関する取り組みの存続基盤とは
 2)都市農村交流に関する取り組みの持続可能性とは
  3)今後の都市農村交流に関する取り組みについて
5:まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
理解が十分にできなかったところは、文献などで適宜補うことを希望する。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業中に次時の講義内容に即して予習を指示。各自がそれに応じて課題に取り組むことを希望する。
授業中に本時の講義内容に応じて復習内容を指示。各自がそれに応じて課題に取り組むことを希望する。

【成績の評価】
・基準
○地域の様々な問題とその成因について考察できることを合格の基準とする。
○地域にあった問題解決の方策について、展望をもちながら提案できることを合格の基準とする。
○都市農村交流の概要を理解し、持続可能な存続のあり方について理解できることを合格の基準とする。
・方法
授業中に数回行う小テストおよびレポートの点数および学期末の試験点数によって成績評価を行う。出席状況は毎回確認するが、出席点は設けない。

【テキスト・参考書】
テキストは特に使用しない。参考書:横山秀司『観光のための環境景観学ー真のグリーンツーリズムにむけて』古今書院,2006。春山成子編著 『棚田の自然景観と文化景観』農林統計協会,2004。中島峰広著『日本の棚田:保全への取組み』第2刷増補版,古書院,1999 。

【その他】
・学生へのメッセージ
授業では実際の研究事例(渡辺による)を聞いてもらうことになります。忌憚のない意見を期待しています。
・オフィス・アワー
在室時はいつでも可

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